東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

瀧澤 一寛(たきさわ かずひろ)

音を愉しむ人を観て愉しむ

先日、公園通りクラシックスでアルジャンスーのライブが開催された。僕はTさんと共に、師匠とH先生に随行した。演者は東京操体フォーラムの相談役でもある巻上公一氏とそのフォーラムに何度も来ていただいている佐藤正治氏。ヒカシューやMASSAでもご活躍のお…

お返しする時が来るまで

同じものを見ていても、人によってくいつくところが違うことがある。それが多ければ多いほど、見ているものはより多面的なものなのかなと僕は思う。からだもそう。洋の東西も、静動の力学も、スピか科学かも、みんな違ってみんないいと僕は思う。色んな見方…

機に乗じてくいつく

情報を得るだけだったら、今はネットのお陰でいつでもくいつくことができるけれど、何となくスルーしてしまうことってあると思う。この業界に入って、最初から操体にくいつかなくてよかったと僕は思っている。操体を知るタイミングがあって、その後、操体の…

原理は変わらないと思う

健康になれる原理にくいつくことと、流行の健康情報にくいつくことは一緒じゃない。僕は健康になれる原理にくいつく。その原理の新しい側面に気づくことはあっても、原理はずっと変わらないと思っているから。すがた、かたちは変わっても、大切なものは残り…

価値観を変える勇気

僕は小学校の頃から30歳くらいまで、競技を変えつつ、ずっとスポーツをやってきた。僕はからだを鍛えることにくいついてきた。僕にとってからだを動かすことは鍛えることだった。好きだったというのもあるけれど、「弱っちい」ことにどこかコンプレックス…

ニーバーの祈りを思い出す

近頃は、スポーツ関連の団体、協会の体質や在り方が話題にあがっている。色んな立場の意見が飛び交っている中、聞いているうちに「ニーバーの祈り」を思い出した。変えることのできないものを受け入れる冷静さ変えることのできるものを変える勇気そして、そ…

くいつくの中のいつく

香さん、ありがとうございます。「くいつく」バトンを受け取った瀧澤です。よろしくお願いします。「くいつく」の中に「いつく」が入っていることに気がついた。「落ち着いてそこにいる」という感じで捉ることもできるし、武術なんかでいう「瞬時に変化でき…

誰もがヒーロー

昨日のつづきいつしか青年は、この人物を自分にとってのヒーローだと思うようになりました。しかし、この人物は「目覚めているか、人生の主人公よ!」と青年に語りかけます。今まで誰かに対して憧れを持ち、ああなりたいと思ってきた青年はハッとしました。…

さよならヒーロー

昨日のつづき 青年はある時、一人の人物と出会いました。その人物は、青年がかつて子供の頃に観ていた正義の味方とは大分様子が違っていましたが、不思議な魅力を持っていました。その人物に魅かれた青年は、その人のもとで「そうなる道理」を学ぶことになり…

白か黒かの道理知らず

昨日のつづきもともと勧善懲悪の世界が大好きだった青年は、物事を白黒つけて判断する癖がついていました。鍼灸マッサージの資格を取得した後も、「痛みや歪みは悪」であり、自分はそれを倒す正義の味方、そんな感じで躍起になっていました。そんな中、「ス…

忘れられないヒーローへの憧れ

昨日のつづき子供の頃に観ていた正義のヒーローのアクションシーンが忘れられず、もっと直接的に(フィジカル的な)強さを身に付けようと思った青年は空手を始めたのでした。 黙々と打ち込める稽古に没頭し、筋力や打たれ強さ、自分より身長の高い相手にも上…

強くなりたかったはずなのに

昨日のつづき相変わらず、生意気盛りな小学校生活を送っていた少年でしたが、エネルギーのやり場をバスケットボールに見出し始めました。その頃には、正義云々はどこか遠くの彼方にいってしまいましたが、(フィジカル的な)強さへの憧れと意地と根性だけは…

負けず嫌いの意地っ張り

昨日のつづき(フィジカル的な)強さへの憧れを抱いた少年は、もともとの影響されやすい性質も手伝って、お気に入りの漫画(スポ根、バトル物)を読んでは、どこにぶつけていいのか分からないエネルギーの塊そのものになっていきました。「意地と根性では誰…

ヒーローに憧れて

香さん、ありがとうございます。謙虚に検証し、やり続けるバトンをいただいた瀧澤です。よろしくお願いします。「正義」という言葉を意識し出したのはもう随分昔。それは遡ること30余年。「ウルトラマンになること」が夢だった幼稚園児は、小学生になっても…

あたり前の風景の中で

つい先日、台風21号が、続けて22号が日本列島にやってきた。今回も各地で被害が相次いだ。台風に限らず、天災による被害状況がニュースで流れると痛ましいきもちになる。今回の台風ではそれほど影響を受けなかったのだが、昨年は台風10号の影響により、床上…

ご縁は突然やってくる

たまに近所のコーヒー屋さんに遊びに行く。美味しいコーヒーはもちろん、そこでつながるご縁もありがたいのだ。先日、某有名ラッパーが隣村でライブを行った。会場となったのはとある南部曲り家民宿。主催者からそこで出店する機会をいただいたのだが、彼ら…

多少の好き嫌いはあるけれど

今年は例年以上にコーヒーを飲んでいる。特に夏の暑い盛りの頃には、ほぼ毎日ペースでアイスコーヒーを飲んでいた。元来コーヒーを飲み過ぎると胸焼けする性質なのだが今年はそれがない。美味しさだけを味わえる。からだの中で何かが変わったのだろうか。職…

それって「からだ」のお陰では?

いつかの個人レッスンで、師匠のおっしゃっていたことが忘れられない。「治療して良くなれば、『先生のお陰で良くなりました』って言われるだろ?じゃあ、良くならなければどうなんだ?あの先生は良くなかったっていうことになるのか?」この仕事をしている…

体感を通して世界観を上書きする

操体の勉強を始めると、目に見えるものも、目に見えないものも同じように愉しめるようになる。自分の世界観がどんどん上書きされていくのだ。そんな世界観の根っこにあるのは「なんてありがたくできているんだろう」という感謝のきもちだ。「感謝しなさい」…

何でできているでしょうか?

近所の公園で、親子の会話を耳にした。風船を手にした子供が「風船は何でできているでしょうか?」と母親に聞く。母親は「ゴム」と答える。その答えに対して子供は「ぶっぶー、空気だよ」。それを聞いてなるほどと頷かずにはいられなかった。確かに風船はゴ…

こっぱずかしくなることもしばしば

香さん、一週間ありがとうございます。今週担当の瀧澤です。よろしくお願い致します。今回のテーマは「感謝」。日々を顧みると、なんと感謝の多いことか。瞬間的に感じる感謝もあれば、後々まで心に残る感謝もある。感謝の対象は概ねポジティブなものに対し…

「診立て」の前の「見立て」

空間に余白があるように、自分自身の内側にも余白があります。空間の余白に見立てたものは、自分自身の内側の余白にも息づいている、そんなふうに感じています。意識飛びという現象(瞬間的におちる深い眠り)を体験すると、空間の余白も自分自身の内側の余…

空白

臨床における空間の空白を空白として生かすということに関心があります。「これだけ勉強してきた」「これだけ臨床してきた」という想いから生まれる診立てや「治してほしい」という欲求で空白を埋め尽くしたくはありません。「自分はこうしたい」、「自分は…

「何もない」空間

「何もない」ということは「何もないということではない」ということ、「何もしない」ということは「何もしないということではない」ということ。臨床を行ううえで、最近感じることです。見えているものの裏側で支えている空間に何を見立てるのか。見立てに…

真実

からだを通してききわけた感覚や無意識は、そんなにやわじゃないと思います。少なくとも意識を変えるくらいの力はあると思います。ですから、「なんだかよくわからない」でも心配する必要はありません。「なんとなくいい」というあなたの真実があれば、それ…

山頂

治療を山登りの過程と見立てて、「目的地は一緒だから、色々な治療法があっていい」という意見があります。確かにそうだなと思う一方で、そもそも登る山は一つだけなのかなと思ったりもします。治療医学で目指す山頂もあれば、健康維持増進医学で目指す山頂…

諸刃

経験値がものをいうことがありますが、一方で、かえって邪魔になることもあります。「それは本当にからだの要求にかなっていることなのか?」この問いかけと常に向き合う操体臨床においては、過去の蓄積は危ういものになります。経験値という諸刃の剣に身断…

自覚

香さん、一週間ありがとうございます。今週担当の瀧澤です。よろしくお願い致します。臨床を行う上で必要なのが「診立て」ですが、普通は施術者が患者を診立てます。しかし、施術者が患者を診立てる一方で、じつは施術者も常に「からだ」に見立てられている…

系譜とご縁

からだの動き、動診、ボディの歪み、快適感覚、皮膚……操体の歴史は、盲点と死角に対する挑戦の歴史。まかり通った一般常識に、ちょっと待ったをかける創始者と直弟子のプロ意識とプロ根性。ある種、カウンターカルチャーのような存在。でも、勉強すればする…

治すことまで関与しない責任

「操体は治さなくていいんでしょ?」違います。「治さなくていい」のではなく、「治すことまで関与しない」のです。結果を出す責任がないということではないのです。治すことまで関与しなくても結果が伴うように、それこそ、学び続ける責任があると思うので…