東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

身ひとつで

このごろは、自分でライブを見に行く機会がめっきり減りました。
それまでも知人が出演する時に行く程度ではありましたが…

先月の終わりに渋谷のDESEOへ招待され出かけました。
覚えのない名前のライブハウスなので、地図を確認しながらも散々迷った末に辿り着いたのですが、線路沿いの細い道に入った時に記憶がよみがえって来ました。
昔、確かに通った道。現役だった頃、ツアーなどでお世話になったバンドのイベントか何かで一度だけ来たことがあったのです。

普段は目当てのバンドとその前後を見るくらいなのですが、せっかくなので開場に合わせて向かいました。

癖というか、次第にそうなるのか、入り込むよりは客観的に全体を見ることしかできないのです。

音色やバランス、立ち位置、チューニングの仕方、PAや客の反応などついつい気になります。

今回注目していたのはドラムでした。
ドラムって、こういう所では自分の楽器で演奏できません。持ち込むのはスネアとスティックくらいでしょうか。
この日は全体を通してコンディションがよくなかったのか、ドラムが苦労しているなという印象でした。
それが力量だと言えばそれまでですが大変だと思いました。
10年程前、ベーシストの江川ほーじん氏が「自分の楽器がないとセッションできないのはミュージシャンとは言えない。たとえ何も持ってないときでも音楽を作りだせるのがミュージシャンだ」と話していた言葉を思い出します。

操体の強みは場所にとらわれない事もあります。
ベッドがあろうとなかろうと、スペースが狭くても、対応が可能です。
伏臥位、仰臥位だけでなく、横臥位や立位でも操法を行う事ができます。
その為には二者択一の第一分析だけではなく、快適感覚をききわける第二分析以降が必要になってきます。
からだ一つあればいい。
ありがたいことです。


辻知喜