東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

〜舌は口ほどにものを言う?〜

おはようございます。

今日は朝の習慣を少し。

毎朝目覚めると、洗面所に行って、顔を洗うのですが
その前にやることがあります。
それは「舌チェック」。

舌はからだの状態を現します。東洋医学には
舌を診ることでその人の体質や、今のからだの状態を把握し、
治療方針を決める「舌診」という診断方法があります。
たとえば舌の縁がデコボコしていれば「エネルギーが不足しているな」
とか、舌の表面に白く苔(舌苔)がついていれば「余分な水分が
からだに溜まっているな」とか判断できるわけです。

最近はエチケットとして舌磨き(口臭の原因が舌苔にあるとのことで)が
普及してきていますが、以前に中医学を教えていただいた先生は
「治療前に舌を磨いてくる人がいるから診断しづらいこともあるよね」と
おっしゃっていました。それだけに舌はからだの状態を現すのです。

私の場合、「食」とうまく向き合えているときは舌チェックをしても
きれいなのですが、食べすぎ、飲みすぎになると途端にデコボコが強まったり
苔が厚くなったりするので、舌が「食」のバロメーターになっています。

先日、知り合いのご婦人(九十四歳)にお会いしたとき
おやつの話しになりました。
その方は「おいしいおやつを食べると胃が満足するの」
とおっしゃっていましたが、「胃が満足するの」という
フレーズにセンスを感じました。からだからの情報をそのまま
からだから受け取ったというニュアンスに感じられたので、
「この方は、からだと上手に向き合っていらっしゃる」と思えたのです。

話しは舌に戻りますが、
サービス業という手前、私も舌磨きはします。
やっていて感じること、それは胃が疲れているとき(食べすぎ、飲みすぎ)は
「オエッ」となりやすいなということです(汚くてすいません)。
もともとからだの働きで異物が口腔内に入ってきたときは
飲み込まないように吐き出す「嘔吐反射」が起こるものなのですが、
胃が今の状態を情報として発信し、反射という反応で
「今は食べ物を入れなくてもいいよ」と教えてくれているようにも思えます。

また、舌の動きが硬いときは、自分の思っていることを口に出せない
ことが多いと感じます。舌だけではなく顎周りや、顔の表情が硬くなっている
ときにもそうです。「構音」に関わってくる部位ですので、
機能的な観点からも言えますが考えすぎたり、
深刻になるとこの傾向が強まるなと実感しますので、
精神面が多分に関わっているようにも思えます。

口腔内は「食」からの影響だけでなく、精神活動における「想」の影響も
受ける場所。

口の中を見てみれば、心の中まで見えてくる
そんな場所なのかもしれません。

2014年4月27(日)
東京操体フォーラムが開催決定!
会場は東京千駄ヶ谷津田ホールです。

「入眠儀式 快眠・快醒のコツのコツ」
是非お越し下さい。

http://www.tokyo-sotai.com/?page_id=644