東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

雨の記憶

このところ梅雨らしい天気が続いている福岡の秋穂です。



雨の降る季節になると毎年私の脳裏をかすめる恐ろしい記憶があります。
「雨の日に自転車に乗るとパンクする。」
これは風が吹くと桶屋が儲かるみたいなものなのですが、以前私がメッセンジャーという自転車に乗る仕事をしていた時に自然に刷り込まれたマーフィーならぬアッキーの法則なのです。ご存知の方もおられるとは思いますが、メッセンジャーというのはバイク便の自転車版、会社からメールをお預かりして
自転車にで相手先の会社までお届けするという自転車に乗った飛脚です。メッセンジャー達は少しでも早くお届けできるようにとタイヤの細い競技用の自転車(ロードレーサー)に股がり車道をカッ飛んでいくのですが、慣れないうちは雨が降ると路面が滑りやすくなるのでとても危険になります。「怖いなー。」と思っているといつの間にやらからだ中に力が入ってしまってうまく重心移動が出来なくなってしまいます。だからちょっとした段差でもバランスを崩してしまったり、ブレーキをかけた時に滑ってみたりとスタントマン顔負けの路上での転倒劇を繰り広げてしまうのです。しかし転ぶからパンクするという訳ではありませんまだ続きます。ロードレーサーという自転車は競技用というだけにかなり繊細に出来ているようでちょっと転んだだけでも、タイヤのホイールが歪んでみたり、ブレーキの当たる位置が微妙にずれてきたりするのです。そうするとブレーキは本来タイヤではなくリムという金属部分に接触するのですが歪んだ自転車はタイヤのゴムの部分にブレーキパットが触れてしまいバンッ!という爆発音を轟かせてパンクしまた転倒するというお粗末な連動性を起こしてしまうのです。やっぱり自転車もバランスが保たれているから正常に走れているんだと無理矢理操体よりに話を戻します。からだのバランス感覚というのは極度の緊張状態では全くといっていい程制御出来なくなることを身をもって体験出来た良い経験でした。恐らく精神的ストレスを受けてボディーが歪むというのもこういった状態なのかもしれないです。患者さんで痛みが出るのが怖いからといって極端に不自然な姿勢をして歩かれている方を診させていただく事があります。元々は膝の痛みや腰の痛みを逃避して不自然な姿勢を作ってしまうのですが、いつの間にやら不自然なままからだが慣れてしまっているようにも見受けられます。人間の感情の中で最も人に影響しやすい感情は恐怖心だといいます。またこの恐怖心を打ち消す事が出来る感覚は安らぎであり快適感覚以外の何者でもないのではないかとも思います。その証拠に?この雨の日のパンクはちょうどこの仕事をしていたのが三浦先生の講習会を受講して操体漬けの生活をさせていた頃だからか自転車の調整が上達したからなのか、雨に対する恐怖心を克服したからなのかはわかりませんが徐々にパンクをする回数は減って来て仕事になれた頃には「雨の貴公子秋穂君」と呼ばれるくらいに絶妙のバランス感覚の持ち主になったとかなれなかったとか・・・でも体調はびっくりする位に良かったですよ。



秋穂一雄




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