東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

未病医学のスズメ

さて4日目になってやっぱり書く事がなくなってきた福岡の秋穂です。そこでネタ探しとばかりに机の引き出しを探っていると操体の講習を受け始めたばっかり位の頃に書いた文章が出てきました。読んでいると20代中盤のフレッシュな自分自身に還った気がしてなんだか懐かしいやら、こっ恥ずかしいやらで良いネタ見〜つけたという感じでした。この当時は東京都品川区整骨院に勤務していた頃です。この文章を読み直していてからだという単語が良く出てくることに驚きます。私自身の意識がからだにばかり目が行っていたのでしょう。若気のイタリーですね。



「春は曙 やうやう著くなりゆく山際 少し明かりて 紫だちたる雲の 細く棚引きたる。」


只今、僕の住んでいる東京は春真っ盛りです。普段貧乏暇なしを体言するかの如く、慌ただしく暮らしている僕もたまの休み位はのんびりと家の近所を散歩して公園なんかで「ボ〜ッ・・・」とした時間でも満喫してみちゃおうかな!なんて思える季節です。そんな時間を過ごしている内に公園の広場で2,3羽のスズメがチョコチョコと遊んでいる姿が目に飛び込んできました。「ストレスなんて言葉はスズメの辞書には載ってないんだろうね。」もっともストレスなんて言葉は、人間が勝手に作った言葉なのだから載っている訳はあるはけないのですが、大空を自由に飛び回る鳥達をみて「あ〜ぁ、鳥のように自由に空を飛び廻ってみたいな。」と考えたコトがあるのは決して僕やライト兄弟だけではナイじゃないはずです。


当のスズメ本人?にしてみると「最近はアスファルトばっかりでミミズがいない!」とか「東京の空は排気ガスばかりで、飛んでるだけで羽根が汚れちゃうわ!」なんて事を考えたりもしているのかもしれませんが、そんなことは今回はさておいて本題に入っていきます。では、何故僕達は自由を求めるのでしょうか?元来、あまり賢い頭脳を持ち合わせていない僕が考え得る回答としては「日々の生活があまりにも自由じゃナイから・・・」といったトコでしょうか。とにかく何らかの形で自分にとって不自由な抑制力を与えられていると感じて、その現状に対して決して心地よいとは思えていない方が多いのかもしれません。以前にも書きましたが、操体の考え方の中心は


「気持ちよいこと、心地よいことはからだを良くして、気持ち悪いこと、不快なことをすればからだは壊れる。」


ですから、今の僕のように「私にもっと自由をくれ〜っ!!」なんて思ってしまっている状態では、様々なからだの不調が出てきてしまってもしょうがない話です。そもそも、からだと言うモノ自体「気持ちよいこと」と「気持ちの悪いこと」に関しては僕達の頭以上に精密な測定機能を持っているようで、自分のからだにとって具合の悪いモノが侵入してきた時の反射運動は頭で考えてても絶対に追いつけません。例えば食事の時に食べ物が気管に入ってきてしまった時に咳き込んでみたり、床に落ちている画びょうを踏んづけてしまったときにとっさに飛び上がってしまったり・・・ある面に置いては花粉や食物などの様々なモノに対するアレルギー反応もからだの無意識のうちの自己防衛反射のひとつといっても良いでしょう。からだ自体はこんなに素晴らしい機能を持ち合わせているのに僕達の意識下に置いては、その扱われかたと言えば本当に惨憺たるものです。からだは「眠たい」と言っているのに、仕事が終わらないからと言って徹夜をしてみたり、お腹は「もう満腹だよ」と言っているのにアルコールで麻痺させてまで食べてしまう。


こんなことばっかりやっていて、いざからだが壊れちゃったときに「何もしていないのにからだが勝手に壊れた。」なんて言う人がいるんだからその人のカラダが可哀想で涙が出そうになってきちゃいますよ。折角からだは自分自身を守るためのチカラを持っているし、気持ちのよさを味わうことによって自然に故障を治すことだって出来る。あと、僕達自身がやらなきゃイケないコトは、このからだの有り難い本能を十分に活かすためにからだからのメッセージをしっかりと受け取ってカラダに対して最大限の興味を持ってあげるコトぐらいなのかもしれません。そして、自分自身率先して気持ちよく幸せに生活していけるように探し求め行動していくコトによって自らのからだを壊すことなく常に健康で快適な生活を送っていくことが可能になるのです。橋本先生も治療は下の下だ!といわれています。いかに健康を維持増進して病気にならないからだを作るかです。みなさんも一緒に未病医学の大空に羽ばたいて行きましょう! 


秋穂 一雄



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