東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

卓球

今回の北京オリンピック日本選手団の旗手を務めていたのが卓球の福原愛選手ですが、この愛ちゃん小さな頃によくテレビにでていて、当時幼稚園児ぐらいだったと思いますが、明石家さんまや、とんねるずと卓球の試合をして負けたり、ズルをして点を入れられると泣き出してしまったりしてたのが思い出されます。しかし今は中国リーグでも活躍し中国でも人気者で、世界的な選手に成長しています。


この卓球についてなのですが、橋本敬三先生の著書「万病が治せる妙療法」にも、からだの調子がおかしいと治療を受けに来た卓球選手を診させてもらった時のことが書かれており、この卓球選手は右ききでありながら、右足の親趾に重心をかけて打っていると言っており、本人はそれが正しいんだと頑張るので、それでもよしとしておいたが、からだのあちこちに歪みがあり、痛めていたとあります。少し写しになりますが、右手を動かすときは左足に重心をかけるとらくに動けるように人間のからだはつくられています。四つんばいになって歩くばあいは、右前足(右手)を前に出すと左後足(左足)が前に出、逆に左前足(左手)が前に出るときは右後足(右足)が前に出ます。このように左右の動きと重心のバランスがとれるようになっているわけです。また、かまえたときと、行動するときとでは重心が移動しますが、それには一定の法則があります。この重心移動の法則にしたがって動かないと必ずからだにむりがかかり、歪みの原因になります。動きもスムーズにいきません。先日の卓球選手が本当に逆の動きをしているとすれば、この法則をしらないままにむりな動きを繰り返し身についてしまったものと考えられます。そして、動きにむりがあるのでからだもあちこちわるくなったのだと思います。と書かれております。


テレビで卓球の試合を見ていると、動きが早くて、急にフォアハンドに速い球がきた場合など、右ききの人が右足に重心をかけたまま打っている場面もみられますが、ゆるい球をスマッシュする時などは左足に重心をかけて打っているのがよくわかります。ですから「万病を治せる妙療法」にでてくる卓球選手は、はやい動きのなかで、どこかでからだの使い方を勘違いしてしまったのではないかと思います。


この卓球選手は時代的にもラケットをペンホルダーグリップで握っていたのだと思いますが、私の考えではどうもこの握り方は動きの勘違いを生みやすいのではと思います。


卓球のラケットの握り方はシェークハンドグリツプとペンホルダーグリップがあり、インターネットにあった初心者の為の握り方を見てみると、シェークハンドグリップはラケットのラバーに人差し指を固定し、他の4本の指でグリップを握るようにもちますとあり、ペンホルダーグリップは、その名のとおりペンを持つように握りますグリップを親指と人差し指で囲むように握り、中、薬、小指はラケットの裏面にコンパクトにまとめる感じですと書かれています。この時点でシェークハンドグリップのほうが重心安定の法則の、手は小指側を使うということとマッチしているような感じがします。


そして気になったのが、ペンホルダーグリップで握る時の注意点なのですが、裏側の3本の指を開くとバックハンドで打つときに手首が返しづらく打ちにくいのでラケットを持つのではなく添えるくらいで握るようにしましょうと書いてある点で、ここで今勉強している連動性とつながってくるのですが、人差し指を親指に寄せるようにして全指が開いてくるオープンをさせれば遠心性の動きとなり、人差し指を中指に寄せるようにして全指が閉じてくるクローズをさせれば求心性の動きとなります。


連動性としては仰臥位で脚を伸ばした状態から、人差し指を親指に寄せるようにしてオープンすれば肩甲骨が上がり同側の下肢は伸展してきて、人差し指を中指に寄せるようにしてクローズすれば肩甲骨は下がり同側の下肢はちぢんできます。


この人差し指を寄せるようにしてのオープン、クローズを、例えば右手関節の外旋だったら外旋していく右手の動きにクローズをミックスしたり、連動により内旋してくる左手の動きにオープンの動きをミックスしたりと、より運動痛、運動制限のない開放された状態のなかで快適感覚が聞き分けられるような動診を今勉強しています。


これをペンホルダーグリップで握る時の注意点にあてはめてみますと、グリップを親指と人差し指で囲むように握り裏側の3本の指を開くと、先程のオープンの格好になり求心性の動きと相反する遠心性の動きがミックスされることになってしまい、バックハンドを打つときに手関節にロックがかかってしまい、手首が返しづらく打ちにくくなってしまうのではないでしょうか。フォアハンドでも同様で右手で打っていたら右の脇が空き、重心も右足にかかりやすくなってしまうのではないでしょうか。


「万病を治せる妙療法」にでてくる卓球選手も、このようなことも含めて右ききでありながら右足の親趾に重心がかかるようになってしまい、不自然な動きが身についてしまったが為、自分のやり方が正しいと言い張ってはいても、からだのほうは歪んでしまい動きにむりがあるので、あちこちわるくなってきてしまったとも考えられるのではと思います。


ちなみにシェークハンドグリップの握り方の注意点は、ラケットの根元と手を近づけるようにしてくださいラケットの根元から手が離れてしまうと、人差し指でラケットを固定できなくなってしまいますと書いてあります。


これも固定できなくなってしまうということの他にも、人差し指と中指、薬指、小指が近づくようにすれば、求心性の動きと求心性の動きがミックスされ、よりスムーズな動きになるのでラケットの根元と手を近づけるようにしたほうが良いということも考えられるのではと思います。


また今年の春の東京操体フォーラムでやりましたが、ONの固定とOFFの固定というのがあり、人差し指の指背に親指を重ねるとOFFの固定となり、この固定をすると動きにロックがかかり
極端に動きの可動域が制限されてきてしまいます。ペンホルダーグリップでラケットのグリップを親指と人差し指で囲むように握る時、もし人差し指の上に親指をのせているとしたら、この場合も不自然なからだの動きにつながるのではと思います。


ペンホルダーグリップとシェークハンドグリップ、競技においては、それぞれ一長一短があり、どちらのほうが有利なのだということは一概に決め付けられないと思いますが、からだにとってどちらが身体運動の法則に則った動きが表現しやすいかといったらシェークハンドグリップのほうが表現しやすいのではと思います



友松 誠。


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