東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

無邪気で愛すべき父

突き放して客観視できれば私達の父は、実にユニークで愛すべき人物だった。天衣無縫とは父のことを指すのだろうか。

毎日曜日、必ずどこかに連れて行ってくれた頃、まだアルコールに溺れていなたかった・・・
一番楽しいはずの一家団欒、のんだくれの父の説教が始まる。いつ終わるかわからない果てしなく続く父の説教。なぜか私が最後まで逃げられず正座をして聞く羽目になる。

自由奔放になった父は、空を見たくなると道の真ん中であろうとところかまわずひっくり返り、空を眺めている。(話には聞いていたが、一度遭遇した私は見てはいけないものをみてしまったようで直視できず逃げ帰った覚えがある。)

自然をこよなく愛し、小さな命も大切にし蚊も殺せなかった父、そしてゴキブリをも友とした父。
結婚と同時に姓が変わった父、俺は養子なんだと豪語していたが実は絶えてしまった祖母の旧姓を継いだのだ。だから男の子が是非欲しかったのだろう。

子煩悩で子供達をこよなく愛した父!素面(シラフ)のときはシャイで自分の子供達の愛し方がとても下手で、お酒を呑むと飲み過ぎて父流のやり方で愛し過ぎ?嫌われ孤独になる、そんな繰り返しだった。

一番救われたのが、母から父の悪口を聞かなかったこと、つまり両親は仲がよかったと感じられたことだ。


父と、逃げずに面と向き合い、受け入れることが出来るようになったのはつい最近のことだ。一言で表現すれば器の大きな人物、つまりなんでも入っている・・・・・まるで般若身経のような人だった。
こんなユニークな父の娘でよかった、ありがとうと感謝の気持ちでいっぱいだ。遅蒔きながらこんな心境になれたことをうれしく思う。


鵜原増満



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