東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

防衛的緊張

親しい友人と暴飲暴食をしてしまった。翌日は当然に体調不良。あたりまえである。弱ったバッタみたいにじっとしていた。まさに虫の息状態である。食べるものは口にせず、水だけ飲んで一日を過ごした。みぞおちあたりに鈍痛があり、完全な胸式呼吸であったのを覚えている。からだがつけてくる呼吸とはこういうことかと実感した。胎児のようなかっこうでひたすら癒しを求めていたように思う。いわば求心性体位で時を過ごしていたのだ。
翌々日には快方へと向いてきたが、おもしろいことに回復してくると遠心性体位をとりたくなることに気がついた。丸まって縮こまったからだが、外方に伸びようとしてくる。いよいよ復活の時だ。上肢、下肢とも十分に伸ばしたがっているようで何か快の予感がありそうだ。予想どおり伸びた状態できもちよさをごちそうさま。


内臓も本調子に戻り、食欲も出てきたのであるが、もう一日、臓器には特別休暇を与えることにして絶食することにした。その日、買い物に出かけたが、からだがいやに軽い気がする。誰も見ていなければスキップでもしてみたい気分だった。からだが軽いだけではない。いつもより感覚も敏感になっていた。飲食店からのおいしそうな匂いが私を誘う。内臓への特別休暇を優先にし、臭覚からの食のお誘いを辞退することとなった。
内臓を休ませていると、感覚が鋭くなっているのがよく分かる。こんなことがあった。前方から人が近づいてくるのが私の視界に入る。段々と近づいてくる。そして最も近づいて私の横を通り過ぎてゆく。この時、からだの中で大変な事が起こっていた。自分に近づいてくるに伴ってからだが緊張してくる感覚をとらえた。最も近づいた時、からだは最高に緊張し、遠ざかっていくにつれて緊張も緩んでくるのも感覚できる。
見知らぬ有機生命どうしが出会う時、そこには緊張がある。これは外敵に備え、からだが本来的に持っている防衛本能なのかも知れない。このことについては、格闘家である平さんの意見を聞いてみたい。
通常意識にはないからだの緊張、内臓と感覚との関係、ますますもってからだへの興味が湧いてくる。


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