東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

風が吹くと

「風が吹くと桶屋が喜ぶ」という昔話はどこかで聞いたことがあると思う。風が吹きまくると眼に塵が入る。眼に塵が入ってそのままにしているとめくらになってしまう。めくらになると三味線をもって軒に立つ人が増える。三味線をもつ人が増えると、猫が殺される。猫が殺されると、鼠が増える。鼠が増えると、桶をかじられる。桶をかじられると、桶の注文が増えて、桶屋が喜ぶというわけである。
これは全身一者の真理を説いた例え話である。生体は一者であり、どの一部分が破損しても、他の全体を障害する。一部分の症状は、他の全体の失調の結果であるという理を悟らせていたのだ。西洋医学はこの真理をわきまえているものが少ない。眼の病気の多くは宿便が原因だが、眼科医で宿便の注意はしない。心臓病も多くは脚の異常から起きているが、これを言う心臓医はいない。東洋医学も療法に依存している。種々の健康法にしても○○キノコだ、竹踏みだ、○○体操だ、などと称賛されては、いつのまにか忘れられていく。まるで流行ファッションのように出ては消えていくのだ。それらはすべて刺激を起因とした方法であり、ショック治という原理に基づいている。便が出にくい時に頭頂をポンポンたたくとスルリと出る。何回か繰り返すうちに、刺激が刺激でなくなる。睡眠薬も初めのうちは効くが、しだいに効かなくなってくる。人体は新しい刺激には強く反応するが、たび重なると反応しなくなって効かなくなってしまう。こういった神経系ショックは一時的なもので病気が完全に治るはずはないのである。ただ、応急処置としては役立つ方法ではあるが。
病気の原因は生活全般の悪習慣にあり、この悪習慣を反省し、改めて欲しいという思いから息・食・動・想と環境という操体哲学を橋本先生は世に送ったのであろうか。


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