東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

筋肉を考える

姿勢の次は筋肉を考察してみる。
人間は動物たちと違って、頭を使い、手も動かすので首も肩も凝ってくる。首や肩に力が入っていると、心臓からの血流が、堅い肩、頸に妨げられ、頭脳への血流が落ちる。当然に仕事の能率は下がる。あらゆる競技、芸術でも肩、頸の力を抜くことは秘訣でもある。格闘技でも肩の力を抜いている者にはかなわないし、舞踊でも、肩の力を抜いている者が美しい。
肩、頸の力を抜くと必然に、丹田力が増してくる。丹田に力をこめると腹筋力がついて仙腸関節のずれを防止できる。腹部はまた直立型である人間にとって鬼門である。直立であるがゆえに、静脈血は腸部に鬱積する。これが人間病患の一大原因である。丹田は体全体の重心であり、ここに力がこもっていると、体全体が快調に動くことができる。丹田力ができると、全身の筋肉がうまく結合されて、正確にして敏捷な力が湧いてくる。昔から武道が丹田を高唱したのもうなずける。
ヨーガでも丹田力は全身の筋肉を統合し、神経系も統合され、それはそのまま精神の統一であると教えている。その丹田力をつくるためには条件がある。それは肛門を引き締めるということだ。丹田に力をこめても、肛門が緩んでいたのでは、穴のあいた風船である。肛門を締めないで丹田力を訓練したために痔になってしまったという話も聞く。また、肛門を締めると大腸を直接に刺激して排泄力を高めることにもなる。肛門力ができると、トイレットペーパーも不必要になると、三島のヨガ道場で有名な故沖正弘導師が弟子達に指導していたという話を聞いたことがある。肛門を締めるというのは脳髄を直接刺激するので脳の血循を高めて、理性も、感性も、よく働くようになる。肛門を締めているうちは死なないと言われるのはそれが脳中枢を刺激するからである。
私のヨーガ教室で、何日やっても肛門を引き締められませんというのがいた。やってみせるわけにはいかないが、要するに、大便を我慢するときの要領でやればよい。
日本武道の精髄を集めたものに気合道というものがあるが、気合丹田力だけで敵を倒す気概ができるというのだから凄いことだと思っている。


肛門に関して注意することがある。それは肛門を緩めてしまう生活習慣のこと。和式トイレは問題ないが、洋式トイレにおいては、大小便を同時にしてしまいやすい。これはいけない、同時に出すのは肛門が緩んでしまうのである。十分に意識して大小便は分別の上、用をなされることを願う。


次は草階女史の担当です。よろしくおねがいします。


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