東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

阿修羅展に行ってキタ〜ッ

今日は太宰府九州国立博物館

『阿修羅展』を観に行ってきました。

一足先に東京国立博物館での『阿修羅展』に感激した

東京操体フォーラムの畠山常任理事から

「絶対観て来なさい!」との特命を受け

普段は車移動が多い私ですが、

阿修羅効果と帰省ラッシュで大渋滞との

交通情報に車での移動を断念し

公共の交通機関で向かう事にしました。

自宅からバスに乗って福岡の中心部天神へ

そこから西鉄大牟田線に乗り換えて太宰府

所要時間は30分位でしょうか。

太宰府の駅に降り立ってみると

あいにくの小雨まじりの天気

しかし、悪天候の影響で本日は来場者が

幾分少ないようである。

初めて訪れた九州国立博物館はとても大きく

それはそれはゴージャスな近代建築で

その建物を観るだけでも一見の価値はありました。

思ったよりもスムーズに展示会場内にはいると

薄暗い照明の中に国宝の阿修羅像が

スポットライトの中ひときわ浮き上がって見えました。

そのかすかに眉をひそめた表情は

神々との戦いに明け暮れていた阿修羅が

お釈迦様からの説法により

自らの行いを悔い改め、仏法に帰依する事を

決心した時の様子を表現しているのだそうだ。

そのすらりと伸びた6本の手は、大きく左右に

開かれては入るののの、緊張感を全く感じさせず

共に展示してあった八部衆像や四天王の力強さに比べると

静かな中に芯の通った安定感を持っており

これが自然体の美しさと言うものなのかと感激させられました。

推測するに、まだ開眼する前の武闘派の阿修羅は

他のあらぶる神々と同じように

全身に気迫の満ちあふれた、力強さを持っていたのかもしれません。

しかし、釈迦の説法でこころの昂りが押さえられ

こころとからだが緊張から解き放たれたのでしょう。

若き悩める橋本敬三先生が平野栄太郎氏の

「世の創(はじめ)より我らをキリストのうちに選び・・・
 愛をもて己が子となさん事を定め給えり・・・」

という説法をきいて、それまでの苦労から解き放たれたように

私たち操体法を学ぶものが、橋本敬三先生の操体哲学に触れ

「気持ちの良さでからだは治るのだ」と気づかされたように

やはりこころとからだも同時相関相補連動性で協調しているのです。

我々操体法の臨床家が求めなければならない健康体と云うのは

このような心とからだの調和のとれたボディなのかもしれません。

阿修羅展を後にして帰りの天満宮の参道で食べた梅ヶ枝餅

いつもより少し優しい味がしました。