東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

百匹目の猿

最終日は三軒茶屋の界隈で耳にしたつくりばなしをひとつ。

 日本近海には小さな島が点在している。そのうちのいくつかの島に棲みついている日本猿の群れの生態がたえまなく観察されてきた。これらの島に棲む猿たちは自分で掘り出したサツマイモを土のついたまま食べていたのである。こんな行儀の悪い食べ方は、何年も変わらずに続いていたが、ある日、一匹の雄猿がその伝統を破ってしまった。食べる前にそのサツマイモを海に持って行って洗ったのである。
 彼は母猿にそのやり方を教えた。そして母猿は当時の連れ添いにそれをやって見せた。母猿の連れ添いもそのやり方を覚え、仲間の猿たちにやって見せたのである。こうして洗って食べる文化は猿の群れ全体に広まっていった。そして百匹中、九十九匹の猿がサツマイモを洗って食べるようになったのであった。
そしてある月の第二日曜日の午前八時丁度に、最後に残った百匹目の猿がその習慣を身につけたそうである。それから一時間も経たないうちに、それまで食べ物を洗うそぶりも見せなかった、海を隔てた他の二つの島に棲む猿の群れの間にも、その習慣が現れはじめたのである。

 人間の社会でもこんなドラマチックなハプニングは同じようにして広がっていくものと信じていい。多くの人があることを真実とみなすようになると、やがてそれがすべての真実となる。そんな法則が今、三軒茶屋で起ころうとしている。 うむっ! あなたはその証人になれるかも知れない。
三軒茶屋のとある場所で、願わくば百匹目の猿にならんことを。

 今回、次の担当は小代田さんにバトンタッチです。