東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「梅干とわたし」

こんばんは、小代田です。いよいよ最終日となりました。シルバーウィークの初日、皆さんいかがお過ごしですか?
最終日の今日、テーマは少し操体と離れますが「梅干とわたし」というテーマで書いて行こうかなと思います。

先日瓶に入った今年初めて作った梅干がふと目にとまりました。「もう3ヶ月になるんだな」。その梅干は以前
「梅干を作ってみたい」と話をしていた私のためにおばが用意してくれたものでした。

去る6月、前回のブログに登場した祖父が他界しました。その梅はちょうど祖父のお葬式が終わる頃におばの元に
届きました。おばは忙しい我が家を気遣い梅を塩漬けの状態にして少し落ち着いた頃に持ってきてくれました。
黄色く熟し始めた梅は甘く桃のような何とも言えない良い香りがして、初めてかぐその甘い香りにこころは和らぎました。
あれから3ヶ月、あの梅もすっかり赤い梅干色に染まり、ちょっと味見しみると飛び上がるほどのすっぱさです。
3ヶ月という時をかけて化学変化したのだな・・・すっかり味もにおいも姿も変えたあの愛らしい梅を思うのでした。

さて、ここからはわたしのお話を少し。ちょうど先日新盆が終わりました。すると私は自分でもびっくりするくらい寝始めました。
仕事と食事以外は寝ていると言ってもよいくらい、よく寝ました。疲れていたのか何なのか、とにかくよく寝ました。
まるですべての情報をシャットアウトするかのように。

その頃いつも自然に手が伸びる本にも手が伸びず、いつもクルクル何かを考えているわたしですが何も考えが浮かばず。
考えが浮かばないというか考えることを手放しているような・・・
なにも考えず、なにも求めず、探さず、日々すごし、用がない時間以外はひたすら眠り続けました。
「わたしどうしたんだろう」。
でも不思議とわたしはそれ以上何も考えませんでした。そしてその終わりは突然のように、そして当たり前のようにやって
きました。線を引かれたようにはっきりと。

その日(その時)からあれほど、まるで大切な仕事のようにただひたすら何も考えずに、そして何も求めずに、ただただ寝て
いた時はいつもの生活に戻りました。

梅干とわたし。梅干のように静かな時間の中、ただただじっと眠っていた私の中で何かが化学反応を起こしたのでしょうか。
不思議とその時から好みや嗜好が変わりました。
そして少しわがままになりました。自分が望むもの、望まないものがはっきりしてきました。
自分にとって必要なもの、必要でないものも。

100人の人がいれば100通りの生き方があるという。きっとこの瓶の中の梅干もひとつとして同じものはないのだろう。
自然の法則、その理はその100人が100通りの生き方を表現することができる法則でもあるのかもしれない。
そんなことを梅干を見ながらぼんやり考えた。それなら理の中で存分に生きれば良いではないかと。

さてそんな「梅干とわたし」の話で今回のブログは終わりにいたします。一週間、取り留めのない話にお付き合いいただき
ありがとうございました。
ではまた秋の東京操体フォーラムで!はたまた新たな学びの場で、お会いできる日を楽しみにしております。
小代田の徒然節に長くながーくお付き合いいただき本当にありがとうございました。

では、明日からはまたまた連休のブログを担当されます今先生です。
今先生、よろしくお願いします!