東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

 友達になっちゃう。

ブロブロブログーも5巡目となりました。
おはようございます。友松です。
一週間よろしくお願いします。


先日、プリンターのインクが切れたので家電量販店に買いにいったところ、たまたま、小学校の時の同級生に会いました。
頭の毛も随分と白髪が混じり、目じりの辺りも深いシワが刻まれているが全体の雰囲気でパッと解った。
なんだか急いでいるようなので、挨拶程度の会話しか出来なかったが家に帰ってから、ふと小さい時の記憶がよみがえってきた。
この同級生は、M ちゃんと呼ばれていて、保育園の頃から一緒だったのですが、内気でおとなしく、何かあるとすぐに泣いてしまうような男の子だった。
しかし、小学校の2年生ぐらいから何かちょっと変わった感じとなり、今まではこちらから話しかけなければ、ずっと黙っているという感じだったのですが、物静かな口調ながらも自分から話しかけてくれるようになりました。
いつだったかその理由みたいなのを話してもらったことがあった。

学校帰りの帰り道に、

「俺さぁ もうお化けが怖くなくなったんだぁ」
「へぇ〜」
「なんでかわかる?」
「わかんねぇ」
「それはさぁ 怖ぇと思うと怖ぇからさぁ 友達になっちゃおうと思ったんだぁ」
「ふぅ〜ん」
「だってさ〜 友達になっちゃえば怖くねぇじゃん 友達になっちゃえば喋ったりしてさぁ 今みたいに楽しいと思うんだ〜」
「うん」
「お化けだって怖がられたくって、怖がられてるんじゃねぇかもしれねぇしさぁ〜」
「うん」
「本当は良い奴かもしれねぇど〜」
「うん」
「だからさぁ 俺ぁ もう怖ぇもんがなくなったんさ〜」
「うん」
「みんなさぁ 友達になっちゃえば良いんだよなぁ そうすりゃあさぁ みんな楽しいんだよな〜」
「うん そぅだな〜」
「そうさぁ〜」
この考え方は、ある意味最強の考え方なのかもしれない。
事実、Mちゃんは保育園の頃から随分と明るく向上的になった。
学校帰りの帰り道、彼の話が面白かったものだから、ランドセルの中の筆箱をカタカタ鳴らしながら、自然と二人して遠回りに遠回りをかさねて家に帰ったことが思い出された。

操体法の創始者である橋本敬三先生の著書の中の一文を取り上げさせていただくと
現象以前の理念の人間には、大生命そのものというタテの真理と、現象界は唯心の所現というヨコの真理とがある由である。人間はその交叉点にある。潜在意識というものには、あらゆる人間関係の現象を具体化してゆく力がある由である。暗黒面を心に印象づけておれば、わが身の周囲には自ずからそのような事態が展開してくる。光明面を思念して潜在意識に印象づけておれば、自然と周囲は光明化されてくる。恐るるものが現れ、泣面に蜂、笑う門には福、というようなことは、この精神界の一つを言い表したものであろう
「生体の歪みを正す」という著書の中の健康に関する四つの場という項目の文章の一部を抜粋しました。
この一文にも前があり、後があるので、よろしかったらお手にとって文章全体を読んでいただければと思います。

再びMちゃんを引き合いに出すと、夜寝る時に「お化けが出たらどうしよう」と怖がりながら床に就くのと、「お化けが出てきたら友達になっちゃおう」という意識で床に就くのとでは潜在意識に随分と差が出てくると思います。
また、以前三軒茶屋に勉強に行ったとき、創始者の意志を継ぐ御師匠は、夜寝る前に笑顔をつくってから寝るようにしなさいと仰っていました。


友松誠