東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

小松さんの施術(2)

今日は、ブログ4日目。
えっ!もう4日目ですか?!
一体何をやってるんでしょう?私は・・
ボーとするのが習性になっている私にしては、忙しい日々が続いている様に思います。
先週は、3学期末の試験でバタバタ。
今週は、京都経由ありのブログ担当。
今までに無い、エキサイテイングな体験をしています。でも、こういう時間を味わえるなんて、本当に有り難い事。
十分に楽しんでいます。感謝、感謝です。

というところで、「小松広明の4日間」の2日目。本題に入ります。



先週の土曜日(2月20日)、再び小松実行委員の施術を行いました。その時の様子をお伝えします。

前にも述べましたが、小松さんは新婚旅行の前日、交通事故に遭い、手術を行い全治1ヶ月と診断されました。
並の人間なら打ちひしがれて、鬱状態になっても不思議ではありません。

ところが、小松さんの元気で明るい事!

先日も、病院の看護婦さんに、
「あなたは、何でそんなに前向きなんですか?」
と真剣に質問されたそうです。病人の並ぶ待合室で、ただ一人元気な小松さん。
彩度、明度の低い色合いの中で、輝くようなオレンジ色の波動を、ばらまいていたのだと思います(何でオレンジ色?なんて突っ込まないでください・・・小松さんは、オレンジ色が似合うの!)。

このような性格の人は、絶対、素晴らしい施術家になると思います。

さて、施術。
一番楽なポジションになってもらいます。
ベッドの上で、右側腹部を下に側臥位。丁度、ベッドの前で正座をしていた私の目の前に、小松さんの大きな足底が2つ並びました。

クライアントの体位が自然で、しかも私の前の部位が「ここを診てよ」と訴えているような時は、躊躇無く診ます。

今回の小松さんは、右足の第1趾が訴えています。
「ちょっと、痛いかもしれませんよ」
とやはり前回と同じ、第1中足骨と第2中足骨との間の太衝(たいしょう)という経穴に触診。
「痛い〜」
と訴えながら、右捻転。
その動きのまま、気持ち良さが有るのか、無いのか聞きわけてもらいました。
気持ち良さがあるので、一番気持ちの良いところまで、からだの造りを操って、気持ち良さを味わって戴きました。

その間約5分(それほど長くありません)。

次に、同じく左右の太衝(たいしょう)に皮膚からのアプローチ(渦状波)。

しばらくすると、指先が温泉に浸かっている感覚。その後、骨折した左の脛骨に気持ち良さの伝達・拡散。

そして、
「足の指先がチンチンですヮ」

またしても、名台詞。
小松さん自身、この言葉に酔いながら、少し微笑みを浮かべ、からだ中でチンチン(という熱感!)を表現している感じ。
その間、約15分。

この操法後、苦しくて出来なかった仰向けが出来るようになりました。

「静かな気持ち良さに委ねるのと、動きの刺激的な気持ちの良さに委ねるのとは、快が違いますね。田舎的な快と都会的な快というか・・・何か、筋肉を感じる快ではなく、骨と皮だけになったような感覚になりますね。」

傍目には、ゆっくりとした動きの操法でも、皮膚からのアプローチ(渦状波)に比べると、その快は刺激的に感ずるようです。

再び、からだに聞きわけて、一番楽な体勢になってもらいます。
今度は、今まで窓際にあった足を、180度反対のドア側に。そして、今まで苦しくてできなかった仰臥位で両膝1/2屈曲位。
そこで、私が座る位置を、小松さんのからだがどう感じるか尋ねてみました。
すると、小松さんの足側に座ると、「ひんやり」。頭付近に座ると「ぼわ〜ん」。腰付近だと、落ち着くようです。

そこで、腰付近に座り、右手首の橈側・陽渓(ようけい)に渦状波。
また、小松さんの右前腕後面に私の左手先の皮膚をあてがい、皮膚の走行感覚を尋ねます。皮膚を、肘の方向に引き寄せると快の聞きわけがあるそうです。

途中から、呼吸に気持ち良さの聞きわけがあり、骨折している胸郭の圧痛点が快へと移行してゆき、かなり深い呼吸が出来るようになりました。

落ち着いたころに施術終了。

仰臥位でふつうに呼吸が出来、歩行も左足を引きずる様子もありません。かなり、改善しているようです。

施術後は、バス停まで、200〜300mの距離を一緒に歩いて案内をしてくれました。

「事故から初めて、こんな距離を歩きます」

力強く歩く姿に、私の方が勇気付けられました。
寒い中、小松さん、道案内本当にありがとうございました。


では、また あした!

追伸:小松さん!折角撮った施術前と後の写真、保存ボタンを押し忘れ撮れてませんでした!
   寒い中、裸で我慢して戴いたのに、ホントにごめんなさい!!      ノー天気
   
追伸:小松さんの回復の早さは、私の施術によるものではありません。小松さん自身のからだを
   実験材料として、自分に向き合う姿勢を作っている小松さんの静かなる汗
   によるものです。
   ここのところを、決してお間違えの無いように!
   

佐伯惟弘