東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

まつげのエクステ。

ここ2年くらい、まつげのエクステに凝っている。最初に鏡を見た時はは自分でも『すごいよこりゃ・・・』と思ったが、慣れとは恐ろしいもので、最近はすっかり慣れている。男性陣にはなかなか分からない世界かもしれないが、女子にとって「まつげ」は重要なポイントなのである。


そういえば、消費者センターに寄せられるまつげエクステに対する苦情が増えているというニュースをやっていた。多くのトラブルはグルー(まつげを自まつげに貼る特殊なノリ)が目に入ったとか、エクステが目に入ったからとか、グルーの固まりが目に入ったというものだ。これを見て『エクステって危険』と思うのは少し早計だ。これはまつげエクステが一気に流行ったために低技術のサロンが増えたためだと考えるのである。これらのトラブルはいずれも技術が未熟なケースだと思われる。需要が増え、参入が増えるとまず人材の確保が必要になる。まず、企画が先でスタッフを集めるのは二の次だ。技術水準の低いスタッフを雇わざるを得ないし、あるいは素人を雇ってから一日講習に参加させて、すぐサロンに出しているということも考えられる。なので技術的にお粗末なサロンが増えるのも納得がいくのである。実際、まつげエクステというのは、自まつげの生え際から1ミリ位のところから貼るので、まぶたにグルーがつくことはない。グルーは速乾性なので、つけた直後は少ししみるが(私は使い捨てコンタクトをしているので、ほとんどしみない)、それも一過性のものである。

『流行る』→『参入企業が増える』→『店舗が増える』→『人材不足』→『技術力の低いスタッフを雇わざるを得ない』→『業界全体のレベルと印象の低下』→『衰退』

という一連の流れをみると、クイックマッサージなどの衰退を連想してしまう。

昔、カイロプラクティックでも米国留学して学んだ人がいた一方、3日研修して白衣を着れば誰でもすぐセンセイ、というのが流行った。この前後、カイロプラクティックで事故が増えたのはやはり経験の少ない技術者が流行で増えたからだ。

私がお世話になっているエクステのサロンは、いわゆるワンルームの部屋でオーナーが一人でやっている。一人では、数はこなせないが一人一人にきめ細かいサービスを提供することができる。私がエステやサロンを選ぶ時、オーナーサロンをよく選ぶのはこのためだ。ちなみに、東京操体フォーラムの実行委員面々も「オーナーサロン」「オーナー治療院」「一人研究所長」である。

まつげで思い出したが、日本女性のメイクのポイントは、長らくファンデーションだった。アイメイクや口紅よりも白粉を塗るとか、肌を塗る時代が長かったのである。このお陰で、「化粧=厚化粧」というイメージが日本の男性に植え込まれたのではないかと思う。

ここ20年位は圧倒的にパウダリーファンデが多く、夏はマックスファクターの「パンケーキ」のような、汗に強いパウダリーファンデが主流だった気がする。しかし、ここ10年位の間に、ファンデーションは劇的に進化した。現在の主流は、多分男性諸氏も聞いたことがあると思うが、韓国生まれの「BBクリーム」やリキッドファンデなどである。パウダリーファンデも粉っぽさから脱却し、仕上がりがとても自然になった。また、ナチュラルメイクの流行によって、より「素顔っぽい」メイクが主流になってきたのである。

ところで「ナチュラルメイク」を勘違いしている殿方も多い。顔を洗って眉毛を描いて、リップクリームでも塗るのが「ナチュラル」なわけではない。男性諸氏が『厚化粧が嫌い』というのは、おそらく20年前、あるいは30年前に流行ったようなメイク、つまり顔にべったりファンデーションを塗って、ブルーやグリーンのアイシャドウを縫っていた時代のトラウマ?があるのかもしれない。
実は「自然なナチュラルメイク」というのはテクニックが必要なのである。素顔っぽいな、と思ったら実はナチュラルメイクが上手かったということもある。

海外ではファンデをしっかり塗るのではなく、どちらかというと、ポイントメイクに力を入れ、ファンデーション(大抵はリキッド)は、気になるところにつける程度なのだ。実際、私もアメリカの友人数人に聞いてみたが、一番力を入れるのが「マスカラ」(まつげ)なのである。アメリカ女子は「マスカラ命!」が多い。
日本も最近、肌は極めてナチュラルに、しかしアイメイクはバッチリ!というのがメインになってきた。口紅も最近はリップグロスが主流である。リップグロスは年配の方は「若い人のものでしょ」と敬遠していたが、そうなのだ。化粧=厚化粧という時代ではなく、化粧=ポイントを押さえたメイクになってきたのである。

あと「素顔が好きだ」という男性諸氏もおられるが、どうもこれは『自分以外の男に化粧した顔を見せるな』(媚びを売るな)の、裏返しのような気がする。一度友人の彼と三人で食事をした際、彼女が『最近、メイクがカラーレス(色をあまり使わない)なんだよね』と言ったところ、彼の方が『色つきメイクなんて絶対許さない』と言ったのには驚いた。まさに『オレ以外の男に化粧した顔を見せるな』だったのだ。

素顔といってもどの程度を素顔というのか分からないが、眉毛を揃えたり、うっかりすると鼻の下にうっすらヒゲ?が生えてくるのでそれを剃ったり、むだ毛の処理をしたり、日焼け止めを塗るのもメイクではないだろうか。逆に「眉毛も揃えなくていいから、髪の毛に気を遣わなくてもいいから、日焼けしていても構わないし、むだ毛ボーボーでも、日々のお手入れに気を遣わなくていいから、ありのままのキミでいてほしい」というのは逆に怪しい(笑)。

そういえば、一時田中宥久子さんの「造顔マッサージ」が流行ったが、あれは元々俳優さんからのリクエストだったそうだ。確か橋爪功さんだった気がする。「赤かぶ検事」の撮影前に「造顔マッサージ」を受けていたそうだ。一見、美容とは無関係のような橋爪さんが「造顔マッサージ」というのを聞いて私は感動したのを覚えている。

今度田中宥久子氏主宰のスクールで、造顔マッサージのレッスンに行こうと真面目に考えている今日この頃であった・・・


畠山裕美


男も見た目の時代 「今様」いい男の造り方

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