東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

スポーツ選手考

先週、またもや悲しいニュースが届いた。。読売巨人軍木村拓也コーチ(37歳)クモ膜下出血でお亡くなりになりました。
未だ37歳という早すぎる死に、ショックを受けた方もたくさん居ただろうと思います。
皮肉なことに木村コーチがお亡くなりになってから、若い方達からの病院への脳ドックの申し込みが急増したそうです。

巨人の一軍コーチということは、一般社会で言えば大手企業の中間管理職的存在であり、
ましてや今年一年目のコーチということであれば、半端じゃないストレスがかかっていたのではないかと思われます。
しかも、あの業界は「勝てば官軍負ければただの野球馬鹿」という世界ですので、リーグ優勝当たり前、
日本一が与えられた目標の巨人というチームでは尚更、プレッシャーのかかり方は半端じゃなかったと思います。
ご冥福をお祈りしたいと思います。。

ところで、日本にプロスポーツ選手と呼ばれる人達がどれ位居ると思いますか?
自称ではなく一応、公的に認められている?であろうと思われる、財団法人日本プロスポーツ協会なるものに登録されている団体からその人数を考えてみると。

  1. 財団法人日本相撲協会(700名強)
  2. 社団法人日本野球機構(約750名)
  3. 社団法人日本プロゴルフ協会(毎年上位50名がトーナメントプレイヤーとして合格)
  4. 社団法人日本女子プロゴルフ協会(毎年上位20名がトーナメントプレイヤーとして合格)
  5. 社団法人日本プロサッカーリーグ(約1,000名弱)
  6. 日本プロボクシング協会(約3,000名前後)
  7. 社団法人日本プロボウリング協会(男女計約1,000名)
  8. 有限責任中間法人日本ダンス議会(会員数約3,500名)
  9. 株式会社日本レースプロモーション(不明)
  10. 新日本キックボクシング協会(不明)
  11. 日本中央競馬会(約170名前後)
  12. 地方競馬全国協会
  13. 財団法人JKA(競輪)(約3,700名)
  14. 財団法人JKA(オートレース)(約1,000名)
  15. 財団法人日本モーターボート競走会(約1,500名位)

多すぎてあくまでもこれはざっくりとした数字でしかないので、詳細はお調べ下さい。
ざっと財団に加入しているだけでも、17,000人弱の方々プロスポーツ選手としてスポーツを職業として選択している計算となります。
実際はこれに非財団系や自称プロという人々も入れていけば、もっと多い数字にはなるのでしょうが・・・

その中でも一般的に知られているプロ野球選手で考えると、12球団の中でも年俸総金額が多い、
ご存じ読売ジャイアンツを例にすると平成21年末での支配下登録選手数が73名球団年俸総額 約49億円
最高年俸 イ・スンヨプ選手6億円最低年俸240万円平均年俸 約7千万円平均年齢26.5歳です。
このうち年俸1億円を越えている選手は投手7名捕手1名内野手2名外野手3名です。
ですから夢の1億円プレイヤーは巨人で13名だということです。

平均年俸だけ見ると高給取りのように見えますが、あくまでも平均ですので、最低年俸である240万円の選手でも
6億円の選手と割れば、金額は上がりますから、実際、高給取りの選手はどのプロスポーツでも一握りでしかありません。

華やかな部分だけが取りざたされるプロスポーツ界ですが、実際は一年ごとに訪れる契約更改に怯える日々であったり、
どんなに素晴らしい選手でも怪我をしてしまえばお払い箱になってしまう明日の見えない道を歩いています。

スポーツ選手はプロアマ問わず、真剣に日々競技に取り組んでいます。個人的にはもう少し、
オリンピックを含めたアマチュア・スポーツ界に手を差し伸べても良いのではと思います。


野球やサッカーなどメジャーな競技であればプロまでの道筋がありますし、最近はプロへの門戸を広げるようにとの配慮
(当然それだけではないですが)で野球であれば育成選手制度”などというものも出来てきて、最低年俸の240万円から
巨人の山口選手の様に1億円プレイヤーになるような選手もいますし。。。
今では各地に独立リーグなども誕生し、地方からプロ野球へという門戸も広がってきています。
Jリーグに関しても地方密着型リーグ等の誕生によりアマチュアからプロへの門戸がより身近に感じられるようになってきました。


それに比べいわゆるマイナー・スポーツであるが故に大変な競技も山ほどあり、オリンピックの代表選手であるにもかかわらず
練習よりも、食べる為に仕事を優先にしなければならない選手の方が多数を占めています。
一方で現在の不景気な状況下にあっても、先日の冬期オリンピックスピードスケート代表加藤条治長島圭一郎選手
所属企業である長野県諏訪市日本電産サンキョー株式会社の様に金メダルなら2,000万円銀1,000万円銅600万円といった
破格の報奨金を支払う企業もある訳で、JOC等からの報奨金も合わせると臨時ボーナスとしてはモチベーションも上がると思います。

スポーツ選手歌手俳優・女優などなどあげるとキリがないですが、人には持って生まれたものがあります。
2m近い長身を持つスポーツ選手は神から選ばれた領域にいる人だと思いますし、こればかりは努力をしてなれるものでもありません。
遺伝も含め人の意志を離れたところにいる人達です。これを生かすも殺すも本人次第ですので、
素晴らしい出会いを祈るだけですが、プロアマ問わずオリンピック出場が可能な人材はまさに“人財”であり、
可能な限りの援助等をするべきだと思います。


国やマスコミをあげて散々持ち上げ、煽っておいて、オリンピック等が終われば潮が引くようにほったらかしといった
余りの扱いに、憤りを感じずにはいられません。競技のバックボーンすら理解せず、服装が常識違いと一方的に人格までを叩いてみたり・・・
中には「オリンピックに出るような人達だけを特別扱いするのはおかしい!」などと声高に言う人達もいますが、
その一人の存在に数千万人の人達が歓喜し、勇気をもらうなんて、誰でも出来ないことであり、
まさしく選ばれた人だからこそ出来ることであり、それに対し援助補助することは得はあっても損は無いと思います。

国の施策としても訳の判らない○○公団とかに貴重な税金を年間数十億円も突っ込む位なら、
この様な一国の代表として国を背負って戦う戦士達にこそ税金を投入してもらいたいと節に願います。
民○党の「何で二番じゃ駄目なんですか!?」などとKYな発言をするとんちんかん事業仕分けをする位なら、
「何で一番を目指さないんですか!」と言って数十億円の補助金を強化費に拠出する方がよっぽど支持率上がりますぜ・・・
何だかどんどん毒吐き状況になって来ましたので、これ以上突っ込みませんが。。

一流大学を卒業し、大手企業に就職した人だけが笑える社会ではなく、勉強は出来ないがスポーツでは誰にも負けない!
オリンピックに出て金メダルを取って一生の補償を手に入れてやる!!みたいな話しがあった方が、
夢があると思いますよ!「金を惜しむな!人財を惜しめ!」だう!


福田勇治