東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

今日の福岡は久しぶりに天気の良い一日だった。

先日から目線と云う事で、眼についていろいろと書かせて頂いているのであるが、眼の大切な機能である。『見る』という行動も改めて考えてみると本当に不思議なものだ。

いつも私たちは眼に見えるものは、確かなものであると云う確信に基づいて生活している。だから自分が眼で見た情報を便りに「リンゴは赤い」とか、「空は青い」といった色彩をイメージする。ところが私とあなたの見ているものは多分違うのかも知れないと最近考える様になった。

まず簡単なところでは単純に視力の違いが取り上げられる。皆様のテレビの地デジ化はお済みでしょうか?以前使っていたブラウン管テレビから液晶ハイビジョンテレビに買い替えた時にテレビ番組を見て、その映像のクリアーさに驚かなかったであろうか。俳優さんや女優さんの肌の質感まで映し出すような画質は今まで「なんて綺麗な女性なんだろう。」と思っていた女優さんの眼の下のクマや、寝不足の肌荒れまで映し出してしまう。テレビに出る人たちはおちおち寝不足もしていられない。

これと同じ様に裸眼で0.03矯正しても1.0くらいしか視力のでない私と視力2.0の誰かとでは見ている景色はきっと違うと思うのだ。先日書いた眼の5つの能力の中でも、『動体視力』や『周辺視野』などは特に視力に影響されやすいので、一流のスポーツ選手にとって、よく見える良い眼を持つと云う事も才能のひとつなのかもしれない。

次に見るもののイメージというのは思考の影響を受けやすい。つまり『痘痕もエクボ』って云うヤツである。恋愛をするものに取っては醜い痘痕の跡だってかわいらしいエクボに見える。というのだから面白い。例えば東京操体フォーラムの三浦理事長が黙って座っていたとして、もしかして私のこころに後ろめたい事があれば、とても機嫌が悪く怒って見えるし、同じ様に座っていても、自慢出来る事があったらとびっきりの笑顔で座っている様にもみえるのかもしれない。人間の眼から入って来る情報なんて結構いい加減だ。

話は少々それるが、皆様は治療が終了した後に、眼がよく見える様になっていたり、視界が広がって見える様になったりした経験はありませんでしょうか。目線というものを考える中で『なぜ操体の臨床を受けた後に視力が良くなるのか。』という疑問の答えを知る事が重要な気がして来た。これをまとめて2010年秋の東京操体フォーラムの小冊子「VISIONS」の内容にしてみたいと思っています。ぜひ秋の東京操体フォーラムに参加して『Visions』を手に入れて読んでみてください。宜しくお願いいたします。1週間秋穂のブログにお付き合いして頂きまして本当にありがとうございました。次回はさらに良いブログがかける様にと、これからの半年間新しい気付きをききわけながら日々の生活を送っていこうと思います。

では実行委員の皆様、明日の『塾・操体』でお会いしましょう。福岡の秋穂でした。

秋穂一雄