東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

癒される小説

村上春樹さんの本が話題になっています。なぜそんなに売れるんだろう?と考えていた時に、古本屋さんで「こころの声を聴く‐河合隼雄対話集‐」という本が目に留まりました。

そのなかで、村上さんが自分の作品について語っているくだりがありました。[物語をひとつまたひとつと書いていくことによってじぶんが不思議に救われていく、自分が治療されていくというふうに強く感じています]と話しておられます。

河合隼雄さんが、村上さんの小説についてこう語っていらっしゃいます。
[実際、村上さんの小説を読んで癒された人はたくさんいます。私のところへ相談に来る学生さんが、『ダンス・ダンス・ダンス』を読んで救われましたと言われます。ほんとは僕の本を読んで救われたと言ってほしいんですけど(笑)。それはなぜかと言うたら、自分が日常レベルでアップアップしてるときに、いやそうじゃないんだ、もっと深い意識があるじゃないか、そこで自分は生きてるんだ、ということがわかって、救われるわけです]

まるで操体の想の話を聞いているような気分になりました。じっくり村上さんの作品を読んでみようと思います。


第5日曜日の塾操体のお話ですが、次回は京都大徳寺で開催される「東京操体フォーラム in 京都」の日にあたります。ぜひそちらへお越しください。

ありがとうございました。

鵜原増満


6月13日第四回「臨床家による操体セミナー」開催

こころの声を聴く―河合隼雄対話集 (新潮文庫)

こころの声を聴く―河合隼雄対話集 (新潮文庫)