東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

 イカばあちゃん その2


膝裏のコリにそっと触れていると

「もっと強く押っぺさねぇと効かねぇだろ」と、

ばあちゃんがたずねてきました。

ワタシは「押っぺしてもいいけど、押っぺすときっと痛てぇよ」と言いながら

コリをグイとやってみます。

「おーイテテ。ホントだ痛てぇや」

ばあちゃんはウメボシを含んだような顔になりました。


「こんな硬くて痛てぇのは、やさしくやったほうが柔らかくなるんだヨ」

「ホオズキだってやさしくやってると柔らかくなるでしょ」

などと、わかるようでわからない説明をしながら

「からだの感じはどう?」と聞くと、「あーん、悪くねぇな」という返事。

「じゃ、その悪くねぇ感じを味わって」と言いながら

ワタシはばあちゃんのからだの反応を感(み)ています。


そして、しばらくしてからもう一度コリをグイとやってみました。

「今度は痛くねぇでしょ」

「ホントだ。痛くねぇ」

「さっきは痛かったのに、何で痛くねぇんだ」

「そうなってんからだヨ」

などと、操体っぽいやりとりをしながら、腰の辺りに着目。

そして、気になるところを今度は軽く押っぺしてみました。


「ここはどんな感じ?」

「おーそこそこ。ちょっと痛てぇけどイイ気持ちだ。効いてる感じがするヨ」

「じゃ、気持ちイイの味わって」

ワタシはそう言いながら、もう片方の手はするすると周辺の皮膚へ・・・。


こんなことを2、3箇所してから、

足趾の操法(足の指を揉んだりします)を少ししました。

それで、その日はおしまいです。


えっ、押っぺしたりするのは操体法じゃないだろうって?

確かにそうですネ。

でも、そうじゃないかもしれないですヨ。


つづく


中谷之美


8月28、29日は大徳寺玉林院にて「東京操体フォーラム in 京都」開催
9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラム in マドリード」開催