東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

伝える力


 畠山先生、フォーラムも含め、充実した旅の記録をありがとうございました。
京都のフォーラムから二週間が経ちましたが、ブログを読んでまたありありとよみがえってきました。

 初めての東京以外のフォーラム、更に大徳寺という場で貴重な体験をさせていただきました。ホールとは違う、場所の力もあったと思います。畳に直に裸足で座って勉強するチャンスはそうそうありません。
からだはリラックスしつつも、操体を学ぶという一つの目的に対しての緊張感(襖を傷つけないように、の緊張感もあり?)とのバランスを味わうことができるというのは貴重でした。大徳寺を使わせていただいたご縁に感謝いたします。

 また、今までにないことと言えば、奈良操体の会の北村翰男先生の発表と関西方面の新しくお会いする参加者の皆様との出会いでしょうか。
北村先生の語りかけ方は、ユーモアで聞く人の心をゆるませながら「自分の中に治る力があるのになぜ治そうとしないの?」と問いかける、緩急のある話芸に引き込まれました。

 畠山先生からは、とにかく集中力、編集力のすごさをひしひしと感じました。日頃の臨床と指導の中で感じる問題点をグッとしぼって解決法を展開させ、いかに伝えるかを常に考えて実行される。いつも横で見ていて圧倒されるのですけれど、京都でもそれを爆発されておりました。

 平相談役は、アンディ・フグのお墓のある大徳寺での空気がただよう流れに任せ、アンディとの思い出をメインに話されました。きいたことのあるお話でも、この場所で、この時に、平さんの波動を皆で共有するとまた特別な話のように聞こえ、京都に来るまでの人と人のつながりを味わいました。

 お客様できていただいた島津兼治先生からも、操体に足りないものを惜しげなく与えてくださり、ひとのからだといかにつきあうのかという学びを1歩も2歩も進めさせてくださる教えをいただきました。

 三浦先生には、初めて直接顔を会わせた参加者に、普段とまたひと味違う発表の方法で、「指導の方法」の引き出しを見せてくださいました。配布物であったり、三浦先生がここまで操体を学ぶに至ったプロセスの話の導入などには聴者のこころに届く説得力がありました。
他にも、先生方のすごいところ!などはここでさっくりと書ききれるものではございません。書いていてアツくなっているのに表現しきれないジレンマを感じます。具体的な内容に関してはセミナーレポートをごらんください。

ただ先生方に共通しているのは「情熱」です。操体を通して、すべての人に「生きる限り、快適に満足して、充分に生きたい」という橋本先生の想いを実践、深化(進化)させたい人々の集まりなのだということは間違ありません。患者さんに対する想い、操体の施術者、指導者を育てる根底に橋本先生の「人間悲願の達成」があると思います。

京都のフォーラムで先生方のお話に伝わる力があるのは、橋本先生の願いを引き継いだ情熱があるからなのだと思いました。


 『正体の歪みを治す』を読んでみると、橋本先生は操体を医学の根本としようと尽力し苦労された様子が描かれております。「○○法ではこのように治します」といって、操体を有名にするのが目的ではありません。自然法則の応用貢献を人間の生にいかに生かすか、を生涯追求されていらっしゃいました。
以前三浦先生が「操体と言う名前はあまり大事ではない」とお話しされていたことがありました。それは、イノチという自然を研究し、一人一人が最低限のルールに従って生きることは医学にも普通に生かされるべきものだからです。
例えば病院でも、お医者さんが「この薬はからだにききわけて味わって、違うと感じたらまた考えるから今度きかせてね。からだの使い方のルールはおぼえてる?確認してみようか」という会話が当たり前になる日がくるのもそう遠くない!

そんなことをイメージしつつ、日々操体を学んでおります。


その情熱を体感したいあなたは、11/20、21の秋の東京操体フォーラムへどうぞ(宣伝)。

おっとその前に、三浦理事長、畠山裕美常任理事をはじめ、岡村実行委員長・理事、福田副実行委員長・理事、山本実行委員長、秋穂一雄実行委員、小代田綾実行委員、小松広明実行委員の8名が、今週水曜日からスペインに向けて旅立ちます。

東京操体フォーラム、勢いに乗って世界に向けて発進中!

私は東京でブログを書いて応援してます。
時々スペインに式神を飛ばして参加します(怪しい…)。


森田珠水


9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラム in マドリード」開催
11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。