東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

イスタンブールで考えた。

朝を迎えたバルセロナはまだ雨が降り続いていました。
雨の中空港へ。ここで小野田先生とはお別れです。
いざスペインを離れるとなるといろんな感情が溢れてきます。

イスタンブールへの飛行機は3時間も遅れてスペインを出発、なんともノンビリしていますが、皆さん慣れているのか怒りだす人も無く、イスタンブールには夜になって到着しました。
乗り継ぎで最初に寄った時には感じませんでしたが、スペインから入ってみるとホッとします。空気や人の感じが日本に近いんだなと思います。

イスタンブールでのホテルはランプがたくさんぶら下がっている素敵なホテルです。これも最初の日には気が付きませんでしたが、ホテルで寝ていると夜明け前くらいでしょうか、祈りの歌が街に流れます。ライトアップされたモスクを見ながらそれを聞くのもまた好いものです。ホテルの近くに有名なモスクがありましたが、ヨーロッパの大聖堂を見たあとでのモスクは圧迫感が無く、親しめるように思いました。やはりヨーロッパというのはカタイというのかアライというのか、とにかくチカラが要ります。
皆さん一仕事終わったという感じでイスタンブールではリラックス。地下宮殿やブルーモスク、アヤソフィアグランバザール等々観光を楽しんでいました。


(福田さん撮影)

イスタンブールの街を歩いていると働く女のひとがいない事に気が付きます。宗教上の理由なんでしょうが、働いているのは男の人ばかりです。と言って、男がシャニムニ働いているのかというと見たところそうでもなく、街のそこここでダベッてみたり、バックギャモンでしょうか博打を打ってはしゃいでみたり、チャイ飲んでみんなでノンビリしていたり、どうも働き者という感じはしません。最初は商売熱心なのかなと思っていましたが、親切という感じの方が当たっているように思いました。


(福田さん撮影)

それからイスタンブールは猫の街でもあります。街のどこにでも猫がいて、三浦先生、畠山先生はじめ皆さん猫を可愛がっていましたが、僕は福田さんが、これまでのお付き合いでは見たことの無い表情と声で猫を可愛がっているのが(まさに猫可愛がり)、とても楽しかったです。

旅も終わりに近づいて、カゼなのかなんなのかヘロヘロで部屋でまたボヤッとしたりしていました。
ホテルの部屋で今ここに至るまでの流れを思うと、不思議なことですがこういう風になるしかなかったんだなと思えてきます。
2年前には想像もしなかった場所に今確かにいて、今生きている人達との水平線上のつながりと、今まで生きてきた人達との時間上のつながりを感じます。
僕がこの旅で得た一番大きなものは、自分よりずっと大きなものにゆだねる、ゆだねることができるという感覚だと思います。


いよいよこの旅も終わりです。アタルチュク空港から成田へ。
長いようで短いような旅でしたが、成田上空から見下ろす日本の緑にさすがにホッとします。
今回の旅で、僕らの中に蒔かれた種もきっといろいろな処で芽を出すでしょう。



三浦先生、畠山先生、岡村さん、福田さん、秋穂さん、小代田さん、小松さん、そして小野田先生はじめスペインのスタッフのみなさん、フォーラムの参加者のみなさん、本当に素晴らしい時間を味わわせていただきました。ありがとうございました。

(今回のブログの写真はスペインの鈴木先生に撮っていただいたものを沢山使わせて頂きました。ありがとうございました。

おわり


山本明


10月2日から視診触診、連動の体得などをはじめ、操体に必須のスキルを学ぶ、
操体法東京研究会2010年秋季集中講座(全10回)を行います。
11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。