東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

英語との出会い その2

おはようございます、今日はブログの三日目。そして、11月の最終日。
明日からは、師走を迎えるのですね・・・・時が経つのは、やはり早い。でも、そんなこと気にせず前を向いて、精一杯生きようではありませんか!!
まあ〜まあ〜生きようなんて、一人よがりな事をいっては、バチがあたります。
のびのびと生かしていただきましょう!

それでは、昨日のつづきから。
アメリカ人留学生の私の彼女は28才。私より4才年上。
女性で28才は、妊娠適齢期。
(これを東洋医学的には、天癸=てんきということばで、説明できます。天癸は、人体の生長発育と生殖機能を促進する物質と説明されていますが、女性と男性ではその周期が違います。女性は7の倍数。男性は8の倍数。つまり、女の子は14才から生理がはじまり、男の子は16才でやっと射精が出来、女性は28才、男性は32才がそれぞれの華ということになるのです)

案の定、28才の彼女は経済力の無い私でもいいから、結婚をしたがったのであります。
「よし、そこまで思ってもらうのならば、アメリカに行って決着しよう!」とノー天気おバカさんは、思い詰めたのです。
24才の夏、初めて日本を出てニューヨークへ。

「ガ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!!!!!」

それはそれは強烈なカルチャーショック。
その上、英語がしゃべれると思っていた天狗の鼻は、ペッチャンコ。いや、陥没!!!
「オレって英語しゃべれへん!!!」
結果・・・結婚どころではないということになりました。
まあ、立ち直りの早いノー天気おバカさんですから、このカルチャーショックを糧に“積み木”という芸術活動を見つけ出し、おまけにブルックリンミュージアム・アートスクールという学校の奨学金を受けるようになったのです。

それで、もう一度アメリカで仕切り直しということになりました。彼女のことは、色々あったのですが、今回は割愛。
さて、ここで再び英語と格闘することに。
ワラをもすがる思いで英語をマスターしたいともがきます。

そんな時は、ペラペラと英語をしゃべっている人の言葉に重みがあるのです。
幸い、渡米機内の隣席にいたYさんが、「英語を話せるようになるには、第一にアメリカ人ガールフレンドを作ること。第二に英語のシャワーを浴びること。その方法として、毎週水曜日に発売される「ヴィレッジヴォイス」という情報誌を買って辞書無しで読むこと。」
と教えてくださいました。

第一のガールフレンドに関しては、まずまず。第二の辞書無しでの英語シャワー。これには結構苦労しました。何を言っているのかさっぱり?ってこともあります。しかし、推測する力を養うには大切なことだと思います。
一口に英語といっても、ニューヨークの英語はそれぞれのお国なまりが激しく、推測しながらの会話は必須。
辞書なしの状態は、常に臨場感溢れる状況になっており、英語のカンとセンスを磨くにはよい方法のようです。

私はYさんの言葉をただひたすら信じ、毎日英文を読む努力だけはしました。
ところが、全く身につきません。特に電話が恐くて・・・
電話が鳴るたび、心臓が止まる思い。
受話器を取っても、何を言っているのか分かりません・・・
こんな日が1年くらい続きました。
ところが、2年目に入りしばらくすると、アメリカ人と当たり前に話している自分に気がつくようになります。
「アレ?しゃべってる」

実は、聞き取りよりしゃべる方が早く出来る様になります。
その理由は、パターン化した日常会話にあります。
それを体得し、こまかいミスを気にしない性格ならば、2年もすれば、しゃべる事に関しては、大丈夫でしょう。ヒヤリングの方は、しゃべることが出来るようになると、ある日突然、みんなのしゃべっている内容が分かり始めます。
そうなると、夢も英語になってきます。一日中英語を喋っている日が続くと。今度は、日本語で考えているのか、英語で考えているのか分からなくなり、頭が作動していない状態を体験します。
不安な感覚におそわれ、
「こんな状態で、ずーと、ここにおったら、アホになる!」と元々アホなのに心配してしまうのです・・・ホントにアホです!

どっちつかずのこの状態を、ずーと耐えておれば、英語での思考回路が構築されていくのでしょうが、私は中途半端な時に、日本へ戻ってきました。

そして、日本語で考えるといういつも通りの思考回路の生活を取るようになりました。それから、全く英語との出会いは無くなり、アメリカ人の嫁さんと生活する事になっても(やはり、彼女が28才の時に結婚しました)、嫁さんは、日本語ペラペラ。
英語が日常生活で使われることはありませんでした。そのため、嫁さんは私が英語をしゃべれるという事さえ知らなかったのです。

初めて、アメリカのご両親にお会いするとき(ここまで、読んで少し変だなあ?と思われる方がいるかも知れません・・・・そうなんです・・我々は結婚してから、アメリカのご両親にお会いしたのです・・・やはり、ものごとは、順序を踏まえなくては、長続きしないようです・・)

「アレ!!ひろむ・・・あなた、英語できるの?」
「若いころ出来てた!」
お父さんがペンシルベニアの空港まで来てくださり、車内で3人・・・・・・

「アレ?しゃべってる」

一度からだを通して覚えたものは、ひとたびスイッチが入ると再現できるようなのです。
めでたし、めでたし。

とまあ〜、キリがあまりよくないところで、英語との出会い話は、おしまい。
語学習得のお役にたったでしょうか?
地道に静かな汗をかくことはもちろん大切ですが、英語を話している未知なる自分をイメージするともっと楽しくなります。
私の日本語は、伊予弁が基礎にあり、テンポが非常に遅いのですが、英語をしゃべるときは、ニューヨーカーの感じでアップテンポ。
全く別人になります。
思わぬ自分を見つけることができ、結構楽しいものです。
その気になれば、誰だって習得できる語学は、やはりお勧め!

お付き合い、どうもありがとうございました。
それでは、また明日、ごきげんよう!


佐伯惟弘