東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

伊達直人考

「あたたかいぃ人の情けぇもぉ〜。。胸を打つぅ熱い涙ぁもぉお〜。。知らないでぇ育ぁった僕はぁ。。みなしごぉさぁあ〜」ってこの話題を出す頃にブームが終結していないのをひたすら願うのですが・・・
年末から年始に渉って、世間をタイガーマスクブームが吹き荒れた。
伊達直人というタイガーの正体である名前だけが一人歩きをし、一番ビックリしているのは故梶原一騎大先生ではないかと思ったりしています・・・
今回の一件に関しては賛否両論有るとは思いますが、テレビも含め世間一般は概ね歓迎ムードであり、美談として世知辛い昨今に爽やかな風を巻き起こしました。

私も最初は何も考えず見ていたので、まぁ世の中には奇特な方がいらっしゃるなぁと、ひねくれ者なりに感じるところもありました。
ですが、日に日に各地でランドセルやら何やらが寄付され、伊達直人やら仕舞いにはルリ子先生まで登場し、朝のワイドショーでは「現在、全国で寄付が集まっており、寄付が無いのが後、三県だけになりましたねぇ」などと、まるで寄付しないのが悪で有るかの様な報道までする始末で、何か逆に疑問点や不快感が湧いてきました。

私は昔から匿名とか匿名希望っていうのが大嫌いで、やるなら実名、良くも悪くも責任を持つというのが有るべき姿だと思うのです。
ネットでもそうですが、匿名だと好き放題、言いたい放題で中傷誹謗何でもあり、個人の尊厳など無視して叩きまくります。
これが面と向かってここまで言えるか?と問われると先ず言えないでしょう。
匿名では日本一!実名では引き籠もりっていう輩があまりにも多いのに呆れるばかりです。
話しがドンドン脇にそれるので元に戻しますが、今回の「伊達直人」の件は動機は善意なのでネット書き込みと一緒には出来ませんが、いっその事「伊達直人基金」でも創設して個人名で献金でもすればいいのになどと思っちゃいました。

日本人の悪いところなのですが、善意でアクションを起こすと、妬みやっかみの標的になることがあり、「人様に寄付出来るほどお金を持ってらっしゃるのねぇ・・」とか「そんなに金持ってるんだったら貸してくれよ」などなど、有らぬ疑いや冷たい視線を受けることとなり、本来なら尊敬されて然りなのに、後ろ指を指されることが有るという反面も持っているのです。
この様な島国根性が根強い日本人だからこそ、そのカモフラージュとして「伊達直人」現象となって全国に不自然に拡がっていったのではと思います。 
では有るべき「伊達直人」の姿とはどういったものだろうかと、私なりに考えてみますと、答えはそのままアニメの中にありました。
アニメの中の「伊達直人」は自らスポーツカーに乗って“ちびっ子ハウス”に趣き、プレゼントを渡し、子供達と喜びを共有するといった姿勢でした。決して匿名などでなはく、直接子供達と触れ合い、会話をし、時には対立をしながらも子供達と向き合っていたと思います。
我々大人達が子供に対して出来ることといったら何でしょう?確かに経済的援助も必須ですし、子供達も喜ぶでしょう。
ですが、誰だか解らない叔父さんや叔母さんから貰うのと、顔と名前の解った大人から貰うのでは大きな違いが有ると思います。
今、施設にいる子供達の半数以上が虐待による被害に遭っている子供達なのです、そう考えると尚更、そこで生まれてくる会話なり、触れ合いが将来の子供達にとって大きな宝になるのではとも思います。
子供は社会の宝と言うのであれば、身内だけではなく、他人の子も育てようという目線になれば、出来ると思います。 
名前を前面に出さないのは“美徳”で有るというのも理解は出来るのですが、あえて関わっていくという姿勢も更に突っ込んで必要なのではと思います。

ただ単に匿名で贈り物をして一人ほくそ笑むのは、私的にはマスターベーションであり、可愛そうな子供に寄付をする善意な自分に酔っている姿にしか見えないのです。寄付という形でしか善意を示せない身体がご不自由な方以外は顔見せ、直接子供と触れるという形で行えば良いと思います。
マスコミも全国には企業や個人でも様々な形で寄付や献金をしている人達がたくさん居ると言うことを、もっと取り上げればよいのにと思います。
伊達直人”などと言った変わり種を面白可笑しく取り上げるだけではなく、もっと草の根運動的に善意の輪を広げて行ければ、日本にも真の相互援助の輪が広がり、様々な事情を抱え、親の愛情を受けることの出来なかった子供達に優しさを届け、社会で生きていく勇気を与えることが出来ると思います。
因みに施設の子供達に今回の伊達直人の件を番組のアンケートに答えて貰っていたのですが、その内容が「あなたが貰って一番嬉しいプレゼントは何ですか?」の問いでした。一番多かったのが、『愛情』でした。
子供達が求めているのは物やお金ではなく、触れ合いであり、人から感じる気持ちなのです。
日本人も真の『伊達直人』になる時期ではないでしょうか?


福田勇治


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