東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

性論〜その4〜

陰と陽。安静と興奮。ヘコミとデッパリ。入力と出力。
相対するものに男と女を設定してあるならば、絶対的な性とは無いのでしょうか?
まさに”性”そのものを感じるセックスを通した学びのなかに、大きなヒントや答えがあるような気がしてならない。

二十年ほど前、ビデオショップ深夜店員をしながらAV(アダルトビデオ)を借りまくっていたのです(その頃が懐かしい)
今では当たり前でも当時ビックリしたのは、若い男性だけでなく、かなりの高齢者までもAVは支持されているのですね。
「性」は肉体を維持しうる期間、まっとうに許されているのに、現代は”陰”に隠されている本能の欲求なのでしょう。
(あのお釈迦様も、お弟子さんに性欲を抑えることを教えるのに、相当苦労したようでありまして、まっコレはまた今度・・・)

さて、ワタシが衝撃を受けた性の本、AV女優・AV女優2(永沢 光雄著)。
もう少し大きくなったら、読んで見たら?と娘二人に手渡してみたい本の一つにしてあります(強制はしませんよ)
ブログのことを考え、十年以上前にこの本を読んで非常に共感したこともありましてから、久々に読み返してみました。
そして今、著者はどうしているのかな・・・と、調べてみたら47歳で亡くなっていたのです。
(ありがとうございます。この場をお借りして永沢氏のご冥福をお祈り致します)
この本は、故永沢氏渾身の性のルポであり、永沢氏あっての性のドキュメンタリーでもあります。

本来、陰の存在でありながら、数え切れないほどの男性を救っている(と思う)AV女優達。
この本の中で一貫して感じるのは、「性」の多様性、そして逞しささえ感じる「性」の優しさにあります。
「全ての女性は菩薩様でありましょう!」と、本気で叫びたくなったり、心から唸ってしまうのです。
一般的に言えば男は都合良く、「昼は淑女のように、夜は娼婦のように振る舞って欲しい」とでも思うのでしょうが、
言ってみれば、変化していないものをみて、悪魔でもあり、天使ですと、考えたい甘えた意識があるのです。
この女優達は、様々な辛い経験を背負っていることも確かにある。
しかし、一時的にどうにでもなれとばかり、投げやりになっていても、ただそれで終わることはないのが素晴らしいわけで、
そこから這い上がるすべ(方法)を女優達は赤裸々に語り、また永沢氏の筆致により(まさに)”酌み取った”感覚で綴られている。
当時のワタシに明らかに足りなかった、「性」に苦しんでいることに対するヒントか何か、そのものがそこにあったのでしょう。
面白いことに、何故か女優のコメントのなか、男性への見下しやあきらめとも言えるコメントがあっても、どこかホッとするのです。
あえて言うならば・・・、
生まれついての宿題のようなもの。これを世間で学んできなさい。あなただから大丈夫だから・・・と。



さて、今日のテーマ(骨盤の位置関係と“ヒトとしての性の営み”に関する一考察〜その一〜)です。

どのような綺麗事を言っても、ヒトにとってのセックスとは、言うまでもなく種族保存の本能であり、
欠かすことの出来ない自然の営みそのものであります。

橋本敬三先生の著書から引用すれば(生体の歪みを正す149P)
「全骨格のうちで骨盤が最も重要な部分である。
その上に脊柱が立ち、またその上には頭蓋を支えている。
骨盤におけるいかなる変位変形も、脊柱及び胸郭の傾きまたは捻れの原因となり、これらは、ひいては胸腔、腹腔、骨盤腔にある諸内臓に対する支持力に何らかに異常を来たす。
頭蓋は肩甲によって脊柱と、また胸郭に、密に関連している」
「頭蓋内における中枢神経といえども骨格の変常から無影響ではあり得ない。
上肢と下肢は、肩甲と骨盤によって脊柱と連関し、これらは互いに影響しあう」
とあります。更に興味深いのは、
「感情と骨格、さらに性格と骨格には相関性がある、
同様に疾病と骨格にも相関性がある』

このように本題の“骨盤”についても記載があり、
骨相学における女性器の位置に触れ、骨盤の(空間における)歪みに対する重要性を説かれています。
・・・なるほど然りと頷ける内容であり、
確かに臨床において?このような所見に遭遇する機会は多いものです。

まあ、私なりの砕けた言い方になりますが、
根本は“セックスに生じている”のですから、皆さんもう少し”真面目にセックスに対して学んでも良い”のです。
そして“からだ”との不思議な繋がりを知ってみれば、面白いだけでなく、
(精が気が神が)もれることなく”幸せになれるから”といっても言い過ぎではないのです。

これはイノチにとって大切なことですから、誰にとっても非常に大切なことであり、
実際に家庭から社会へ発信できる最高の波動形態でもあり、
ひいては人類の平和にもつながる可能性は常にあります。

まずはしっかりと、“からだ”の中心とも言える骨盤に興味を持って、
自身で一つの実感として捉えてみれば、私がそうであったように”からだ”をきっかけとして、
いかに自分のことに関して”無知”であり、無視を続けていたのか、”自ずとわかる”ということなのです。

次回はこの続きを熱く!独断と偏見を交えながら?語ってみます。

                                     岡村郁生