東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

性論〜その7〜

今も(朝5時半ですが眩暈のように感じるほど、余震のような地震で揺れています)
昨日、3 月 11 日午後 2 時 46 分ごろマグニチュード 8.8 を記録する観測史上最大の地震
東北地方太平洋沖で発生し、停電や火災、津波などの被害が拡大しています。
地震の影響により、太平洋沖諸国においても大きな津波警報・注意報が発生しています。
死亡者も確認されました。津波による被害も10キロ範囲を超え、石油コンビナートでの火災も起きており、
一夜明けた今日も以前として不安定な状況です。
関東も一部ライフラインの電気・水道・ガスも所々打撃を受け、多くの家庭で寒く暗いうえに電話も携帯も通じにくいようです。
電力の要である、福島県原子力発電所では緊急停止状態にあり、今朝は長野県でも強い地震があったようです。
私の地元神奈川県でも、都内に勤務している方々は電車不通により帰宅できず、不安な一夜を過ごし、
お互いに家族の安否が気になっていることでしょう。
災害にあわれた地域の一刻も早い復旧を、そして何よりも、日本中でこれ以上被害が広がらないことを願います。
不眠不休で行われている総力を挙げた、災害救助活動される方達の安全を心から祈っています。



それでは最終日に用意したテーマです。このようなときですが、よろしくお願いします。

今日のテーマ「男性より女性の性に関する感覚は、本当に敏感なのだろうか?」

先日紹介したミラーニューロンでいえば、女性の方が男性より神経活動も活発に反応しています。
それにより共感も多い傾向がありますが、その理由はハッキリせず、未だ解明されていないのです。
考えられることは、男性のテストステロン濃度が高いことによって、何らかの感覚制限を受けるのではないかというのです。

そして、ワタシが面白いと感じたのは、
サイエンスでいえば『DHEA』というホルモンです。
(デヒドロエピアンドロステロンは、「ステロイドホルモン」であるテストステロンおよびエストラジオールの前駆体とされる)
これは人間の副腎、精巣、卵巣等でつくられ、男らしくするテストステロン(男性ホルモン)や、
女性らしくするエストロゲンに変化していくのですが、その途中につくられるようです。

また、DHEAの産出量自体が思春期から徐々に増えていき、23歳頃ピークを迎え、70歳でピーク時の25%となり、
90歳になると、10%にも減ってしまうようですネ。

特に副腎から生産されているDHEAは、ワタシが考えるに東洋医学における『腎』であり、
要するに『後天の精』ではないでしょうか?
現代医学でも、DHEA量が減じてくることで「副腎疲労性症候群」という病名もあるらしいのですが・・・。

さて、操体の臨床において、非常に大切な意味を持っているのは「皮膚」ですネ。
(皆様、「皮膚からのメッセージ〜たにぐち書店、三浦寛著〜」は必読の内容でございます)

面白いのは、このDHEA。皮膚にも多く含まれているのですネ。
そして、脳でも作り出せるらしいDHEAは、形を変化させて別の性ホルモンになり、皮膚に吸収されているらしいッ(興奮チュッ!!)

また男女の分布、つまり性差も顕著であって、
男性は全身の皮膚に均等に吸収されているので、DHEAを計測すると常に一定の量であっても、
女性の場合は、まず脳内での活性DHEA量は男性の比ではなく、
要するに、男性よりも圧倒的に多いらしいのです。
かつ、乳房や女性生殖器の周囲の皮膚に含まれている濃度、つまり皮膚吸収量量が高いらしいのです。

DHEAは、一説に寄れば若返りに関連すると言われたり、性ホルモンの前駆体だとか言われているものの、はっきりしていません。
しかしはっきりしていることもあるのです。
それは、人間の”性”的な要求を高められるということ。
そして、最終的なセックスのオーガズムに密接に関係しているということ。

すべての生き物にとって、生殖・繁殖に必要な条件は、それぞれの生き物によって異なりますネ。
人間は、自分の足で立って歩き、自分で相手を見つけることもできますが、植物はそうはいきません。
交配してくれる昆虫を呼ぶための工夫があるわけです。
種類の豊富な蘭などは、飛んでくる虫の好きなにおいを放ったり、好きな色を見せたり、
あの手この手で引き寄せると言います。やはり、植物においてもそれほど大切な営みなのです。

ここで質問です。考えてみてください。
一体、このような仕組みを、何故生まれながらに獲得しているのでしょうか?
DNAも誰かが作った仕組みなんでしょうか?

それを学んでいくことこそ操体
ワタシの感じていることも操体
だ・か・ら、
操体から離れることは自然から離れることを意味します。
自分の「性」や「生」や「精」を(=精・気・神という東洋思想の意味)
放棄することになり、どんなに頑張っても生かされているんだから、結局できない相談なのですネ。

自然は生きています。人間も生きている限り、人間の想像を超えた自然災害もあります。
その全てにいつでも準備をしうること、辛くともそれはできないのです。
地震の際、帰宅していなかった小学3年生の次女は、学校の机下に潜り、泣きながら手を握りあっていたと教えてくれました。
そして、小学5年生の長女は、本当に怖かったけど、みんなが心配で恥ずかしくて泣けなかったと、家族の顔を見て言いました。
勿論心配はしていても、何かあってもその場では手伝えないこともあり、何かあっても私は何もできないかもしれない。
だから、いつも私のできることだけ、そのままの姿を見せることで、共に時代を生きる人間として応援していきます。
このような時こそ、家族だけではなく、そこにいる人達とお互いの手を握りあって協力は必要です。
その場で生まれた”今の瞬間”の感覚を大切にしていたい。


今回のブログ、まだ若いだけに飛びすぎてしまった感はあります・・・。
(変態する龍)岡村郁生の一週間にお付き合い頂きまして誠にありがとうございました。

明日からはいよいよ、日下実行委員です。
一週間の指示、教授をよろしくお願いいたします。

                                              岡村郁生