【今日の橋本語録】
〜 冷蔵庫に入ったっていいですよ、それが気持ちいいならね 〜
(「からだの設計にミスはない」より)
「結局ね、撫でても、さすっても、たたいても、火を押しつけても、
針をさしても、たとえ焼け火ばし押しつけたとしても、
それが気持ちよければ何したってかまわないんだ。後味が悪くなければかまわないんですよ。
よく患者さんは「これは冷やした方がいいですか、温めた方がいいですか」と聞きますが、
私はいつもこう答えることにしています。「冷蔵庫に入ったっていいですよ、それが気持ちいいならね」と」
(「からだの設計にミスはない」 P18)
ワタシも患者さんに聞かれることがあります。
「腰が痛いんですけど、冷やしたほうがイイですか?温めたほうがイイですか?」
う〜む、冷やすべきか?温めるべきか?
急性には冷やすとか、慢性には温めるとか、一応あるみたいですけど、
じゃぁ、どこまで冷やして、どこから温めるって言われたら、これがなかなか微妙なところです。
その時の状況や状態によっても違うでしょうし、
一概に「コレで決まりサ!」とは言えないところがありますよねぇ。
「私ら若い時でも、膝が痛いとか足首痛いとかいう時、湿布っていうことをやりました。
そうすると患者さんは、あっためた方がいいか冷たくした方がいいかって聞く。
その頃は何だかんだ言っておったけれども、今なら気持ちのいいようにやんなさいって言うんですよ。
冷たくて気持ち良かったら冷たくする、あったかい方が気持ち良かったらあったかくする、それきりしょうがないです。
昔は熱が出るっていうと、鉄瓶みたいなものだと思って冷やせばいいと思って、
頭に氷嚢やったり氷枕やったりして冷やすことを考えた。しかし私は、そんな必要ないと思うんですよね。
何でも、冷やして気持ち良かったら冷やせばいい、あっためて気持ち良かったらあっためればいい、
どっちでもご本人が気持ちいい方にね。だから僕、時々、どんなことしてもいいんだって言うんですよ。
だけども、気持ちがいいんだけれども後味が悪いというのはほんとうでないから、そこらをうまくコントロールして、
気持ちがいいなという所でやめておいたらいいんじゃないかと、こう言うだけです」
(「地湧きの思想1」 P152〜P153)
ふむふむ、そうですよねぇ。
冷やしても、温めても、それに対して快・不快があるってことは、
結局それにゆだねてあげるしかないんです。いろいろな理屈はあるかもしれませんが、
まずは「からだにとってどうなのか?」ってことを目安にしていけばイイのかもしれませんネ。
でも、いくら気持ちよくてもホドホドにしないと後味が悪い。
そして、橋本先生が言われるように、後味が悪いってことは本当ではない。
人間ってのはアタマがいいですから、もっとやれば効くだろうとか、
たくさんやれば早く治るだろうとか、ヨコシマな考えが浮かびがちなもんですからねぇ。
更には、これは気持ちがいいだろうなんて最初から決めつけちゃったりして。
いくら美味しいもんでも、食い過ぎれば腹こわすってことです。
その辺のところが、きっとポイントなんですネ。
後味っていえば、こんな語録もありました。
「後味が悪いようなのはダメよな。人に迷惑かけたり、
相手に不快感を与えるような気持の良さはうまくないわな。
怒ったときは怒って気持ちいいかもしれんけども、怒られた奴は気持ち悪いな。
怒りようにも上手下手があるしね。怒られて、ああ有難いなって思うやつもいるよ。
さあ、そこんとこだ。そんなことですよ」
(「地湧きの思想2」 P132)
「てめえが気持ちがいいってことと相手が気持ちいいってことと
あたりが気持ちいいってこと、その三つがそろわないとうまくない。
てめえだけで気持ちよくたって、あたりに迷惑かけてるんではうまくない
〜 自分が気持ちいいってことわかれば、ああこりゃ一番気持ちいいんだなってことわかれば、
他人もそうなれるように話もできるし、何でもできるんじゃないですか」
(「地湧きの思想2」 P136)
う〜む、何だか考えさせられる内容です。
自分だけではなく、周りのみんなも気持ちよくなるように。
これこそ平和に繋がる道なのかもしれませんネ。
中谷之美
東京操体フォーラムin京都2011は8月28日(日)に開催されます。北村翰男(奈良漢方治療研究所、奈良操体の会)、三浦寛他
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