東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

時間の感覚

六日目です。よろしくお願いします。
昨日のブログに、心拍数・脈拍数の早さの違いで、時間の進み方の感覚が違うのではないかと書きましたが、あれから面白い内容が記載されているものと見つけましたので、ご紹介したいと思います。
著者 本川達雄 氏の「ゾウの時間ネズミの時間―サイズの生物学―」(中公新書)の中に、「生物が感じる時間は、体重の1/4乗に比例する」と書かれています。また、「哺乳類ではどの動物でも、一生の間に心臓は20億回うつ計算になる」、「ゾウはネズミよりずっと長生きだが、心臓を時計とした場合は同じ長さだけ生きて死ぬことになる」と書かれており、脈拍数の比較ではゾウは遅いのに対してネズミは速く、寿命はゾウが長くネズミは短いが、寿命の時間的長さは違いがあるものの、ゾウもネズミも一生の感じた時間の感覚はどちらも変わらないということです。
 本川氏の理論から考えると、大人と子供の感じる時間の早さの違いは、心拍数や脈拍数の違いによって、体内感覚による時間の感じ方が違い、子供の頃の方が時間を長く感じる傾向があることを、裏付ける内容だと思います。
 からだの感覚は、人それぞれで、年齢や性別などあらゆる条件によって変わってきます。治療者の決め付けで、からだの望むこと以外のことを行うと、必ずその反動が表れると考えられます。だからこそ、からだの感覚に聞き分け、からだの要求に答える必要があり、操体法は理に適った臨床と言えるのではないかと思います。
 からだの要求にどこまで答えることができるか、これはからだの肉体や魂が望む質の高い快であり、簡単のようで奥が深い学びであり、今後も日々研鑽・精進していかなければ、からだの反応として表れてこないはずです。この世の不変な絶対時間の中にある肉体と、時空を超える魂の両方を満足させられるよう今後も学びを大切に精進していきたいと、ブログを書きながら改めて感じています。
ありがとうございました。

Sotai Forum in Madridは、9月24日、25日の二日間、マドリードにて開催致します。三浦寛

2011年秋季東京操体フォーラムは11月6日(日)、東京千駄ヶ谷津田ホールにて開催予定です。