東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

楽と快の違いで起こること(1)

つい先日、日本統合医療学会北海道支部の招きを受けて、北海道支部会で講演を行いました。羽田でも飛行機に乗り遅れそうになり(汗)、札幌に着いて会場近くのファミレスでお昼を食べていたら、雨がふってきたので、会場まで上着を被って走りました。
ラーメンくらい食べてくれば良かったと思いましたが、また行けるでしょう。

それはさておき、日本統合医療学会が何故操体に興味を持って戴いたのかというと、渉外担当の猪股千代子先生(札幌医科大学保険医療学部教授)は、宮城出身で、20年程前に宮城教育大の武田忠先生(写真でわかる子供操体法)から、操体を習われたそうで、看護師でもある猪股先生は患者さんのケアなどにも使われていたということと、日本統合医療学会でも「操体法」に興味のある鍼灸師の方々がおり、

操体法」を特別講義としてプログラムに入れたらどうか、という提案があったからだそうです。

現在、鍼灸の学校の教科書でも「操体法」の紹介がありますが、書いている方が、25年前以上の操体をされており、二者択一で楽なほうに動かして、瞬間急速脱力させる(第1分析)ことにこだわっておられる方なので、そのような紹介がされています。また、鍼灸の学校でもプログラムの一環として「操体法」の授業(正課ではなく、特別授業などのようです)もあるそうですが、大抵はやはり「第1分析」を教えており「操体法ってこんなもんだ」という印象のようです。

まあ「第2分析」(ひとつひとつの動きに、快適感覚(きもちよさ)がききわけられるかという動診・分析)を学べるところはあまりないので(というか、操体法東京研究会かその関係者のところだけ)、少ないと言えば少ない。しかし三浦先生の書籍や、東京操体フォーラム実行委員などでも「操体は進化している」「第1分析(楽への問いかけ)、と第2分析(きもちよさへの問いかけ)は異なる」と、言い続けているのだけれど、世の中には「第1分析」を知っている人が圧倒的に多いのです。

ところが「きもちよさ」という言葉がポピュラーになってきたことにより、操体実践者の中では「きもちよさ」「快」という言葉がよく使われるようになりました。

ところがところが、実は第1分析をやっているのに言葉だけ「きもちよさ」「快」を使っているケースが大半なのです。


Madridのフォーラムのパネル(在マドリッドの日本人向け日本語新聞に掲載されたもの)

2011年秋季東京操体フォーラムは11月6日(日)、東京千駄ヶ谷津田ホールにて開催予定です。