東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「楽と快の違い その1」

こんにちは。だいぶ寒くなってきましたね。
昨日までの三浦先生のブログは奥が深くて面白かったです。
あの写真に「快」の本質があるように思えました。私はまだあのような表現は出来ませんが自分の体を通して学んだ「楽と快の違い」を一週間書いていきたいと思います。


私は臨床に入る前にまず患者さんに「気持ちの良さだけを味わって下さい」と言うのだが患者さんの中には「気持ちの良さ???」という方がほとんどである。
なぜ分からないのかというとこの気持ちの良さは日常生活の空間ではなかなか味わう事が出来ない感覚である事と定義が出来ない感覚的な現象である事が要因として挙げられる。「気持ちの良さとはこうだ」とか「〜みたい」と説明出来るものではないので体を通して体感してもらうのが気持ちの良さを知る一番の近道になる。
しかし、なかには味わってもらった気持ちの良さを「気持ち良い」と言葉で表現出来ない、もしくは認められない人がいる。それは自我意識が関与してしまっているのでそういった時は「からだに聞き分けて」という言葉掛けをする。なぜそういう表現をするのかというと体は気持ちの良さを知っているからである。意識が関与するから気持ちの良さが分からないのである。気持ちの良さを理解するにはその「現象」をありのまま素直に認めることである。

ある講習で三浦先生が「気持ちの良さを例えるなら何に例えますか?」という質問に対し
「オレは気持ちの良さを何かに例える事が出来ない」と言われていた。
この事からも気持ちの良さとは各個人の感覚の世界での現象であり、定義することではないのである。

それに対し「楽」というのはみんなが表現しやすい言葉で「ラク」「タノシイ」というように様々な意味があるが意識次第によっては波動の荒い言葉にもなり良い波動にもなる。
「楽しい」「楽をしたい」等の言葉は普段から何の抵抗もなく口にしている人が多い。しかし「気持ち良い」という表現はあまり耳にしない。それは生活感覚の中に「楽」はあって「快」はない証拠になる。「表現出来る、出来ない」この違いに楽と快の違いのヒントがあるのだと思う。

まあ初日ですので今日はこの辺にして続きは明日していきます。