東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「楽と快の違い 〜その4〜」

昨日書いたように「楽」と「快」では操者と患者の「意識」のベクトルが大きく変わってくるのだが、今日もその違いについて図を交えながら書いていきたい。

横の図は第二分析における操法(気持ちの良さを体に聞き分けられた時からが操法)に入ってからの患者の快の流れを図にしてみたのだが、この図でポイントとなるのは見ての通り8の字になっているところである。
操法は快の聞き分け→最快適点→脱力→脱力後の爽快感を味わうといった流れになるのだが、体の要求があればこの流れをまた繰り返す事が出来る。このようなサイクルによって「快」に流れが出来て、継続する。つまり動診1つ1つに繋がりが生まれ、快感度が上がるのである。
ここでまたポイントとなるのがこの流れの中には操者・患者の自我が関与していないことである。昨日も書いたがすべて「体に聞き分ける」事で気持ちの良さが継続する。これが患者の意識に問いかけ                           た第一分析との大きな違いとなる。
このように「快」への問いかけの流れは第一分析にはなかったものであり、「楽」への問いかけではどうしても単発で終わってしまい、流れを『循環』させることはなかなか出来ないのである。『感覚』を重要視する操体の臨床ではいかに患者の意識、感覚を継続させていくかが重要なポイントになってくる。第二分析では第一分析に比べ、より患者の『感覚』を重視しているので、その感覚が循環しなければならない。その流れを円滑にする為には般若身経や基本となる介助法がとても重要になってくる。そして何より操者は自我意識(欲)を持って臨床に臨んではいけないのである。