東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

懲りない

懲りない


『人はしばしば結婚してから失恋するものである。結婚とは恋愛が美しい誤解であったことへの惨憺たる理解である。結婚は恋愛への刑罰である。しかし、すべての人間が受けなければならない刑罰であるから、これに耐えることが必要である。
亀井勝一郎「青春論」
「先生、おうちで奥様と何かあったのですか。」と心配したくなるほど辛辣を極めた評言だが、〈美しい誤解〉から〈惨憺たる理解〉に至る道筋は、程度の差こそあれ、多くの人が身をもって知っている。』
竹内政明「名文どろぼう」より


見事な、本歌取りの讃である。
それにしても、人はどうして懲りも無く結婚するのであろうか?(当節は、結婚の形態にもいろいろありますが・・・)
ただ単に寂しいからとか、遺伝子の維持のためだけではあるまい。そこに(それぞれのカップルに)、いわく言い難い気持いいものがあるのだろう。
これも「快」だなあ。
「わかっちゃいるけど、やめられない」のだ。
植木等さんの父上は、この言葉を、「親鸞上人の生きざまに通ずる。」と絶賛したという。
極めて人間臭い事柄なのだ。


山野真二