東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

私にとって操体とは・・・〜学びの変化〜

 三日目の私にとって操体とは・・・のブログは、操体を学ぶことで、学びにも変化を受けましたので紹介したいと思います。
 現代の医学ではEBM(Evidence Based Medicine)を大切に考えています。EBMとは「医療において科学的根拠に基づいて診療方法を選択すること」です。医療現場ではクライアントに対して、インホームド・コンセント(informed consent:説明と同意)をおこないながら治療をすすめていきます。自分のおこなっている治療手技の説明ができるかどうかが、大きく問われる時代といってもいいと思います。ここで疑問があるのですが、確かにEBMはとても大切だと思いますが、臨床の治療手技が先行し、あとから科学的根拠がついてくるものではないかと思います。EBMが確立できている手技のみということは、限られた手技という枠ができてしまうのではないないでしょか。からだの感覚で、第三者の客観的に評価ができるのはそれこそ限界あるからこそ、からだにききわけ、からだが選択するということが必要な気がします。だからといって医療従事者が、からだの反応について、何も分からない・知らないでは問題だと思います。ただし操体は、解剖学が分かれば・運動学がわかればというように、何が理解できれば良いというものではありません。
 僕は操体を学ぶことで、学びの変化が生まれました。以前は、出来上がっている物を読み覚えるということが中心だったのに対して、操体を通し疑問に感じたことなどを、今まで学んできた物を活用したり、読み返したり、たくさんの文献などを検索したり、裏付けや仮説などをたてるなど、自分から学びを広げている姿勢が大きく変化したように感じます。自分で探して学ぶということは、ひとつの結果が出るまでに沢山の情報を集めることになり、結果として沢山の情報を得ることになります。操体は環境を含む息食動想の四つの営み(自己最小限責任生活必須条件)の生命力学のバランスを学び、快適感覚という感覚に従うということが、生体のバランス制御に繋がり、命の意志に従っているということを学ぶわけですから、すべての学びが操体の学びに結び付いて統合されるわけです。
 橋本敬三先生は「操体は面白いぞ、一生遊べるからな」という言葉を残していますが、すべての学びが操体に繋がり、操体の学びが、からだ・生命・イノチすべてに応用できるわけですから、面白いはずです。だからこそ僕自身、学ぶ姿勢が自然と変化しているのですから。操体との出会いから今まで、すべてが導かれるような感じがするぐらいです。
 今日はこのあたりで・・・。ありがとうございました。