東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「ヘタクソの心得」その4

【〜しているつもりが出来なくさせている】

私はよく三浦先生から「お前は見ているようで大事な所を見ていない」と言われる。振り返ってみると自分の中では見ているつもりでいたのだがやってみると出来ないのであれば、教えている人間からすれば見ていないのと一緒である。
ここで大事なのは「どこを見ているのか」だと思うのだが己の意識はどうなっているのかも出来るかを左右する。一言で言えば集中力になるのだが変な雑念が介入していないか、例えば先生が模範で実技を行っている時に真似をして手を動かしている人をたまに目にする。こういった人達は大概自分では見ているつもりでも実際は見ていないものである。私の経験上、上手な人は決まって見ている時に真似て手を動かしたり、書き物をするといった事は一切していない。
出来ない人程、見ているようで見ていないのである。しかし大概その人は見ていない事を指摘されても見ているつもりなのだが、端から見れば手を動かしたりしながら見ている時点で見ていないと判断されてしまうものである。つまり意識を使って見ているのかが「つもり」を無くすキーポイントとなると私は考えている。

【やっている事に「哲学」を持つ事でやっている事を深めていく】

趣味でも遊びでも何でも良いので自分なりの「こだわり」を持つ事は非常に大切である。
私は一日一回のトイレ掃除と週に二回の部屋の掃除は去年から欠かさず行っている。なぜ行っているのかというと右往左往する自分の心を落ち着かせるためである。これはどんなに忙しい時でもやらなかった日は無い。掃除に使う雑巾もこだわりがあり、毎月同じ所で同じ物を買うようにしている。こういった小さな「こだわり」が徐々に自分のやっている事に「哲学」を持つようになる。それは千差万別で何でも良い。大事なのは「哲学」という一つの軸を持つ事で「自分らしさ」という己の生き様を磨いていく事なのだ。それを育んでいくことで何があっても揺るがない芯が出来、やっている事を深めていく事に繋がっていくのである。


三浦寛 操体人生46年の集大成 "操体マンダラ Live ONLY-ONE 46th Anniversary"は2012年7月16日(海の日)に開催致します。

2012年秋季東京操体フォーラムは11月18日(日)津田ホールにて開催決定