東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

操体的呼吸(最終日)

我々は今、この瞬間に呼吸している、昨日、呼吸することもできず、明日、呼吸することもできない。我々はこの瞬間にしか呼吸できない、しかし、心はと言うと、昨日のことを思い返して反省し、あるいは明日に思いをはせ、希望や不安を持っている。からだはいつでも呼吸と共に現在にとどまっているのに、心は過去と未来のあいだを常に行き来している。
だから、からだと心のあいだには隔たりがあり、その隔たりによって、病気や不安、緊張、苦悶が生じてくる。それゆえ、心を今、この瞬間に連れてこなければならない、何故なら、「時」というのは今しかないのだから。そして、それには意識的な呼吸をすることによって快感覚と共に、心を今ここに戻すことができる。
呼吸を意識的に行うというのは、呼吸そのものから自分で呼吸を学ぶ、直感的で繊細な行為である。直感に基づくゆるやかなリズムに沿って吸気と呼気をつないでいくうち、魂であり、呼吸の源である内なる呼吸が、外なる呼吸である空気とひとつに溶け合う。
外なる物質の世界と内なる意識である感覚の世界が融合するのは、外部のエネルギーも内部のエネルギーも同じ呼吸から来るものゆえに、かくて内と外は調和し、バランスを保つことができるのである。


それでは例によって操体的な呼吸をしながら感じてみよう!

〝 鼻から入ってくる息に目線をつけて、
そしてまた鼻から息を送り出してみよう 〟
〝 そのたびに、横隔膜が上下するのを感じてみよう 〟
〝 これを読んでいく間も、深くゆっくりと、
鼻から息を出し入れしながら、
横隔膜がやわらかく上下するように、意識を向けてみよう 〟
〝 一行一行、読み進みながらも、鼻からやさしく息を入れ、
そして鼻からなめらかに息を送り出して、
横隔膜が楽に上下するのを、気持ちよく感じていられるように 〟
〝 これをしばらく続けよう 〟
〝 空気が流れ込んできて、また出ていくにつれて、
横隔膜が上下するのを気持ちよく感じながら 〟
〝 そう、そっとからだの声に耳を傾けて・・・・・・ 〟

明日からの1週間は瀧澤実行委員の担当です。



2012年秋季東京操体フォーラムは11月18日(日)津田ホールにて開催決定