東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

生命

 佐助担当の二日目ですよろしくお願いします。
 生命エネルギーの前に、生命とは・・・について触れてみたいと思います。生命とは、基本的には生きているものと死んでいるもの、あるいは物質と生物を区別する特徴・属性などを指す語、あるいは抽象概念である(wikipediaより)。といっても生命を簡単に説明することはできません。生命とは、哲学の分野、生物学での分野において常に論議されているが、生命とは純粋な物質というわけではないからこそ、哲学者や生物学者の中には、生命を定義する必要など無い、「生命というのは自然の事実なのだから」と述べる人がいるくらい定義ができないようです。
 この自然の体系においても、18世紀に分類学の父とされるリンネは(1735)は、その「自然物は鉱物界、植物界、動物界の三界に区分される。鉱物は成長する。植物は成長し、生きる。動物は成長し、生き、感覚を持つ」と定義しています。20世紀になるとホーリスム的な考え方も提唱され、またネオヴァイタリズムや有機体論なども登場し、現在では、分子生物学な見解も当然のように認められており、また、生命を情報の伝達やエネルギーの方向性のある変換とも言われるようになっているなど様々な切り口で把握されており、現代の生命論は複雑な様相を呈しています。
 最初の生命は約46億年前、地球誕生から6億年たった頃の海の中で誕生したと考えられています。材料となった基本的物質は原始大気中の成分であるメタン、アンモニア二酸化炭素などの無機物であったとされ、これらにエネルギーを加えることによって、生命の素材は作られ、エネルギーは太陽光、雷の放電、放射線や熱、紫外線などによってもたらされたものとされています。
 こうして生命を構成する基本的な物質、生命物質を合成した。アミノ酸、核酸塩基、糖や炭水化物などの有機物です。反応が起った場所としては、エネルギーが十分に与えられたと考えられる海底熱水噴出孔や隕石の落下地点などとされ、こうしてできた生命物質は雨によって原始の海に溶け込み、原始スープを形成し、海の中を漂っていた物質が反応することによって、初めての生物は生まれたとされています。  
 初期の生物は全て単細胞、細胞の構造は簡単で、はっきりとした核をもたない原核細胞であり、これらの細胞ははじめ、海の中を漂う有機物を利用した、嫌気呼吸という方法によって進化していっていったとされています。しかし有機物には限りがあり、やがて自分で栄養を作り出す手段が必要となり、これが光合成となります。光合成をする最も古い生物の化石は、約35億年前の、オーストラリアで発見されたラン藻植物とされ、光合成によって、無機物である二酸化炭素と水からグルコースブドウ糖)などの炭水化物を作り出すことが可能となって、酸素が副産物として放出され、酸素ができると、やがて酸素を利用した呼吸、好気呼吸をする生物も誕生し、これが呼吸方法となったようです。

 原核細胞は進化を続け、多様な種類のものが現われ、そしてやがてそれらの中から核を持った生物、原生生物が現われたそうです。原生生物は真核細胞を持ち、動物や植物の直接の先祖が登場(15〜12億年前)したようです。また同じような時代に、単独では生きていく事ができなくなった単細胞生物同士が合体して、多細胞生物が生じたと考えられています。 そして5億7500万年前から、生物は爆発的な多様化をみせるようになり、現在存在している動物の体の構造の基礎ができあがったのもこの頃とされ、この多様化の一連の中で初期の無脊椎動物から魚が出現し、 それから1億年以上後に生物が陸上へ進出し多様な進化をしていったと言われています。
 現在の感覚を持つ動物が生まれるまでには、長い時間の進化という流れから生まれてきたわけですから、今の僕達は生まれながらにして救われているこのイノチには、この進化の記憶がからだに存在しているはずです。この長い時間の進化によって獲得された優れた感覚である原始感覚が、現代の世の環境によって原始感覚が退化し始めているように感じる気がしますがどうでしょうか?進化してきた先にあるものは、さらなる進化なのか退化なのでしょうか?
 今日はこの辺りで・・・。今年一年ありがとうございました。良いお年をお迎え下さい!