東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

艶つけない

昨日は去年の私の大いなる変化について書かせていただいたのですが、今年はどうなりたいの?という所にスポットを当てて書いてみたいと思っています。

昨年末のこと、当フォーラムの三浦理事長よりお叱りの言葉を頂いた。その内容はフォーラムの業務における私の『ホウレンソウ(報告・連絡・相談)』の欠如についてのものでした。

これは何も昨日今日始まったものではなく私が操体を学び始めた当初より指摘されていたもので、私自身も自覚はあるのですが一向に改善が見られないということで三浦理事長より直々の指導という運びになったのです。

「お前は俺にだけ相談しないって訳じゃないだろう。きっと親父さんにだってしてないはずだ。何も相談されないとお前が何を考えているのかわからないんだぞ。アドバイスしようと思っても出来ない。みんなに心配かけているのがわからないのか。」

三浦理事長のこの言葉は本当に的の中心を見事に得た言葉でした。まさしく私は小さい頃から父にも上手く相談することが出来ないまま育って来てしまったのです。私達の世代の親というのはどこでもそうだと思いますが、朝から晩まで一日中働いて一緒にご飯を食べる時間さえ取れない日が少なくありませんでした。

そんな状態ですから父とゆっくりと話すことなどほとんどなく、父と会話するのは叱られる時くらいしか記憶に残っていません。勿論それだけではないはずです。

色んな話もしたし、色んなところに遊びに連れて行って貰ったはずですが、父との会話というものが極端に少ない家庭だった様に思います。

うちの父はと云いますと、私とは違い根っからの職人気質で口べた気の聞いた言葉なんて一度も聞いたことがないくらいの頑固者です。こんな父に叱られたくないからという理由でわざとコミュニケーションを断っていた様に思えます。

こんな状態では父に私の思っていることなんて伝わる訳がありません。父にとても何を考えているのかわからない息子ですから益々会話の糸口がありません。大きくなるに連れてますます会話は少なくなる一方でした。そして私も今の年になり、子供が出来て子供たちとお話が出来る様になってみると、子供の頃の父とのコミニュケーション不足が本当にもったいないことをしてしまったのだと改めて実感出来る様になって来ました。

もっと小さい頃から父と積極的に話し、互いに理解し合えていれば、今よりももっと良い家族になれていたのかもしれないと思うと残念で仕方がありません。恐らく理事長に相談出来ない理由というのも恐らく同じところにあるのだと思います。理事長に連絡・相談して拒否されたり怒られることが怖いから相談せずに事後報告だけで済まそうとしていたのです。

怒られない様に格好つけていた(博多弁では「艶つけとる」)つもりが益々理事長を迷わせ迷惑をかけていたのです。とにかく今年は格好つけずに、わからないことは「わかりません」出来ないことは「出来ません」やりたいことは「やりたいです」知りたいことがあったら「教えてください」と当たり前に尋ねることが出来る様になりたいと思っています。

素の自分の直球勝負で何が出来るのかを今年の目標にしてみたいと思います。みなさんも私が少しでも格好つけて力んでいるのを見かけたら「キサン、何ば艶つけとっと〜とや〜。」とご指導をお願い申し上げます。

相談する相手のいない人生なんて 地図と方位磁石を持たずに荒野を旅するようなものだ。