東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「操体と生きる7」

先日、畠山先生から「ISIS編集学校」の案内のメールを頂いたのだが。そこにとてもおもしろい記事があった。編集人インタビューでの鈴木寛さんの記事である。

そこには編集工学の観点から観た「メッシ」の在り方について書かれていた。
なぜメッシはFCバルセロナとアルゼンチン代表での成績が大きく変わってくるのか?どちらも同じメッシがいるのに片方は上手く機能し、もう片方は機能しないのか?その違いについて鈴木寛さんは松岡正剛さんの言葉をお借りして「世界定め」の違いと言われていた。
FCバルセロナではチーム、オーナー、そしてサポーターが一つの「世界観」を共有している。それはカンテラからの選手の育成であり、ボールポゼッションを高め相手に攻撃をさせないというバルセロナ独自の哲学である。その哲学はバルセロナのファンでなくてもフットボールファンなら誰にでも知られているほど浸透しているのである。これを編集工学の観点から観てみると、まずは「世界(目的)を定め」→「イメージを共有」→「哲学を持つ」→「単語(選手)を動かす」ことが組織を成功させる手順なのだと私は鈴木寛さんのインタビューを観て感じたことだ。アルゼンチン代表はこの手順が上手く出来なかったからW杯で失速したのだと思う。

この編集工学の観点は操体にも応用出来ると思う。それは生前橋本先生は三浦先生や他の弟子達に「これからの操体の臨床は楽ではなく快をテーマにしなさい」と言われた。その「快」というテーマを与えられた操体を学んでいる弟子達は本来そのテーマを共有し、橋本先生が説かれた操体の哲学の下に当時確立されていなかった「快」というイメージを共有しなければならなかった。しかしそれを組織として共有出来なかった為に現在の操体の臨床は各地で違うことが行われてしまっている。結果としてこうなってしまったのでこの善し悪しの判断は私自身の心の中にしまっておこうと思うのだが、これからの私達は三浦先生の下で与えられたテーマ(意思)を共有し日々共に進化していかなければならない。私達はこれからFCバルセロナのように橋本先生の哲学を世に、そして後世に伝えていく使命がある。その為にも松岡正剛さんや鈴木寛さんの言われている物の見方•捉え方をしていく必要がおおいにあると私は思っている。私達操体の臨床家は日々臨床だけに明け暮れて良い時代はもう去ったと最近強く思うようになった。

皆様も興味があったら観てください。
とても勉強になります。
http://es.isis.ne.jp/

一週間お付き合い頂きありがとうございました。
明日からは半蔵さんの出番です。
楽しみにしています。