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東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

思い出す過去

 佐助が担当するブログ5日目です。よろしくお願いします。

 操体法の感覚分析からききわけた快適感覚をあじわっているときに、ずっと忘れていた過去に起きた怪我の部位について思い出すということがあります。この忘れていた過去の怪我は、実際には記憶としてしまわれていただけのようです。またこの忘れていた過去の怪我が痛みの原因になっているということもあります。
 
 人はどうやって忘れていたことを、何かのきっかけでふと思い出すのでしょうか。

 あらゆる情動のなかで、最もインパクトが強いのが恐れであり、それは扁桃核にあります。まず情報の信号が視床から直接に扁桃核へ入力されて恐怖行動を起こすような生理反応が引き起こされる「情報回路」と、視床から大脳新皮質に入力される「感覚認知経路」の二つの経路があることが現在ではわかっているようです。通常の外部からの情報の信号は、視床から感覚認知経路を伝わって大脳新皮質に送られ、そこで情報処理されて答えを導き出します。ところが、外部から入ってくる刺激によっては、感覚認知経路を通らずに、視床から直接、扁桃核に飛び込んでしまうという経路があることがわかったそうです。しかも、外部からの信号が扁桃核に直接入ると、恐怖行動を起こすような生理反応が引き起こされることから、情動記憶は扁桃核に貯蔵されていることが突き止められました。怪我の際に感じた感覚も扁桃核に直接入るようです。

 忘れていてなかなか思い出せない理由は、扁桃核から得るのは漠然とした不快感とか快感、あるいは漠然とした不安や恐れといった、言葉にならないほどあいまいな感情だというところにあります。言葉にならない分、ここに貯蔵された情緒に関する記憶は、通常の生活で思いだそうとしても思い出せないようです。
記憶を思い出すためには、突然引き起こされた急激な感情の動きなどで呼び起こされるようです。特に快の情動に基づく幸福感と、不快の情動に基づく絶望感によって海馬を介して、忘れていた記憶がよみがえることがあるようです。

 操体法の感覚分析からききわけた快適感覚をあじわっているときに、ずっと忘れていた過去に起きた怪我などを思い出すことは、扁桃核の特徴と働きから起こる現象のひとつといえるようです。

 今日はこのあたりで・・・。ありがとうございました。

2013年4月28日 東京千駄ヶ谷津田ホーにて、春季東京操体フォーラムを開催致します。