東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

 Sotai Forum 2013 Valencia(その2)

一昨日のブログで「ビジネスネーム」という言葉を使いましたが
芸名や源氏名も含まれます。
なお、親からもらった名前が嫌いなワケではありませんので(笑)。

2010年、最初にマドリッドでフォーラムを行った際、
分かっていたけれど、スペインの人達の
「なんで?」攻撃にはすこしうんざりしました。

「天然自然の法則だ!」
「そうなってんだ!」
「生命は快に従うんだってばさ」というのが通じないのです(笑)。

"Don't Think, Feeeel!!!!"
燃えよドラゴン」の「考えるな、皮膚で感じろ」(筆者訳)
も、分かる人には分かったようですが。

また、スペインの多くの方の特徴として、反復練習や、基礎訓練がキライだとも聞きました。
これは、典型的大脳優位な状態です。
最近日本にも多いような気がしますが・・。

大脳は反復練習を嫌い、「なんで?なんで?どうして?」と
聞くのが好きなのです。

脳の働きについて、大脳、小脳、脳幹について解説した内藤景代先生のKindle本。

操体はじめ、武術などは小脳の「反復練習」によって上手くなっていきます。
その結果、意識しなくても、からだが動く、ようになってくるのです。

操体はからだを使う、いわゆる武術的な鍛錬(作法の体得)を行います。
操者のパフォーマンス向上、疲れにくく運動効率が良い、
心身の平静を保つ、フォームが美しい、など、また全ての芸事、
身体運動系の動作に役立つ作法でもあります。

最初は「足は腰幅(骨盤の幅が、足の内側のラインに入る幅)」
つま先はかかとと平行に、利き手と反対の足を半歩前に、つま先を
少し内側に向けて出す。骨盤を定位に戻す。
膝のちからを「ほっ」と抜く(おしりの力を抜く、でもいい)。
背筋を伸ばし、目線は正面の一点に据える。腰は反らない。

これが、自然体立位の定義です。
武術などはそうですが、基本的につま先は外を向きません。
が、慣れていないと、何か動きを行った後に、つま先が外側を
向いてしまっていることがあります。

これも、慣れです。
慣れるとできるようになります。小脳の学習です。

先の本に書いてありました。
「50の手習い」というコトバがあります。
北野武さんは、50歳過ぎてから(60だったか?)、ピアノが
弾きたくて、トライしたそうです。
本来操体や手技療法、職人ワザは、始めるのは早ければ早いほど
いいのです。
が、反復練習である稽古(ピアノの練習とか,操体の作法の練習とか、
からだを使う、小脳の範疇)を、大脳(反復練習嫌い)が、目的を明確に
して、小脳の「地道な反復練習」をバカにしなければ、うまくいくそうです。

操体法東京研究会の講習では、
「できない」とか「むずかしい」は禁句です。
これは、大脳が小脳にストップをかけているのです。
さらに発した言葉は、自分に一番影響を与えますが、まるで副流煙
ように、周囲の受講生にも迷惑をかけます。

また、長年の癖を直す必要があることもあります。
正座する際、手のひらは上を向けてそけい部に置くとか(肩の
緊張が抜ける)、足趾の操法では、拇指の第一関節が曲がるように
練習するとか。

これを「長年やってきたから今更直せない」とか
「指が曲がらないから無理」という返事を聞くことがありますが、
それは「ちょっと待った」です。
この二つは、どちらも、操者がからだを壊さないため、または、
最大の効果をあげるコツでもあります。

7月15日(月)海の日千駄ヶ谷津田ホールにて「操体マンダラ 2013」(仮)を
開催致します。三浦寛による操体イリュージョンの世界をお楽しみ下さい。
お問い合わせは[http://www.teizan.com:title=TEI-ZAN操体医科学研究所