東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

2013 SOTAI Forunm in Valencia『場所編』

海外フォーラムでの愉しみの一つに、見知らぬ土地での出会いがある。
何も出会いとは人ばかりではなく、私にとって大きな感動があるのは、
『場所』でしょうか。

有名な場所もあれば、誰も気付くことがない位にマイナーな場所など、
その人の感性によってそれは違うのです。
場所には当然建物も含まれますが、その国独特の感じがあり、妙にシ
ンミリしたり、テンションが上がったりと、ホント不思議なものです。

私が未だ二十代の頃、ある方に「若いときの苦労は買ってでもやるべ
きだし、ジジイになってからでは出来ないことが人生にはたくさん有
るぞ!」と言われ、「海外旅行もその一つだ!借金してでも海外は行
っとけ!その借金は年をとってからの大きな財産になるぞ!」と言わ
れました。

ウブな私はその言葉を丸ごと信じ、アメリカ本土を手始めとして、
ニューカレドニア、中国、東南アジア、変わり所としてはサハリン
(旧樺太)等々、仕事も多いですが、遊びでも各地へ行きました。

現状、何の役にたったかと言われても、即答出来ない位なので、まぁ
ご愛敬ですが、海外へ行くぞ!が、東京へ行くぞ!よりも気楽な心境
なのが、まぁ、所詮、人間何処でも生きていけるか〜的、お気楽さを
生んだ土壌になっているのかもしれません。

私にとっての『スペイン』『トルコ』は発のヨーロッパで、最初は
正直、余り気乗りしなかったのですが、行ってみてとっても好きに
なりました。
ヨーロッパという、歴史がある故の、中世期のヨーロッパ各地での
戦争や、民族間の対立など、世界史で習うヨーロッパはダークなイ
メージしか私の中になかったのが、その大きな理由でした。

ヨーロッパ移民の国、アメリカが初めての海外旅行だったので、尚更、
あの脳天気でエンターテインメントのお国、アメリカの軽〜い雰囲気
とは違う、重々しい感じが、どうしてもヨーロッパにはあったのです。

ですから、そんな私にとって、底抜けに明るいスペインの地は最適だ
ったと言えます。アジアとヨーロッパのクロスロード、トルコも、
初めて行ったのにも関わらず、懐かしさを感じさせるとても魅力的な
場所でした。

そんな私が感じるトルコ&スペイン素敵な場所ベスト5です。

第五位:マドリッド・マヨ-ル広場(PLAZA MAYOR)界隈
私にとってのマドリッドのイメージはこのマヨ-ル広場とサン・ミゲル
市場を中心とした、界隈です。最初にマドリッドに訪れた際に連れて行
ってもらって、インパクトが強かったということもあるのですが、マド
リッドの中心にあたる場所なので、観光客も多く、街の活気が一番感じ
られる地域です。

マヨール広場名物、インチキシリーズは毎年大うけで、少しずつ肥大化
している”小太りスパイダーマン”や”ディズニーキャラの大ネズミ”
等々、ここは中国か?と思うほどのインチキぶりで、笑えます。
広場中心のフェリペ三世の騎馬像も何故か、何度来ても記念撮影をして
しまいます。

このマヨ-ル広場とほぼ、セットで訪れるのが、スペインの美味しいも
のが集まっている、『サン・ミゲル市場』です。
まぁ、あるわあるわ、スペインの美味しいものが全て集まっているので
は?と思う位の食のワンダーランドです。色鮮やかな食材達、その場で
飲みつつ、食せる感じも最高です。ここは、毎回行っても愉しい場所ですねぇ〜

第四位:ラマンチャ地方、コンスエグラの風車群
ここは今年始めて連れて行ってもらった場所でした。マドリッドから約130Km位
の距離があり、地元の大悟君に車で連れて行ってもらいました。車は初心者なん
だよねぇ〜等と不吉な話しを聞きながら、若干の不安を覚えつつも、散々ハイウ
エイの入り口で迷い、ゲッソリしながら何とか辿り着きました。

このラマンチャ地方のコンスエグラという小っちゃな町は何だか、とっても良い
感じで、私的には何故かツボでした。
残念ながらヨーロッパ文学はサッパリなので、ドン・キホーテと言われても、
安売りか?!位なイメージしかない私ですが、このコンスエグラの風車はあのドン
・キホーテの舞台になったと言われているようです。

風車の幾つかは中に入って、見学も出来るので、やたら関西訛りの日本語を喋り
まくる、店の名物おじさんを横目に、風車の中で暫し撮影会をしつつ、青い空と
コンスエグラの茶色な町が見事にマッチし、えも言えぬ風景として私の目に飛び
込んできました。町も含めこういう田舎の方が何だか味があるなぁ〜とつくづく思いました。

第三位:セゴビアローマ水道
水道橋は日本でも阿蘇通潤橋など、色々とありますが、セゴビアのローマ
水道橋はその規模も雰囲気も私の想像を凌駕していました。
世界遺産であることもさることながら、20,400個の石のみで出来た、全長728m、
163ものアーチから成る水道橋は圧巻の一言でした。

建築技術も十分でなかった1世紀後半に、既にこの様な建造物を作った技術力は
本当に凄いの一言です。
町も雰囲気よく、意外にブランドショップが数多く存在するのもミスマッチで面
白かったです。

第二位:トレド
ここは本当は一位といってもよいのですが、トレドも毎回訪れている、素敵な世界
遺産の街ですねぇ〜
トレドも毎回、地元出身、大悟君に案内してもらっているのですが、このトレド町
並みも素敵なのですが、一番の愉しさは地元出身者、大悟君ならではの、マニアッ
ク見学ツアーと言いますか、普通の観光客はまず、行かない場所へ行けることでしょうか。

スペインで二番目に頭がよい?と大悟君が言っている学芸員の友達に、
400〜500年位前のスペインの歴史的価値の非常に高い、貴重な革製の本
や、楽譜などを見せてもらったこともありました。

今年は、美術学校の中に入れてもらい、学校に居た、現役の教授の
方々に美術論を語って戴きました。数百年前の焼き物の割れた欠片
を参考にして、当時の製法を再現し、後生に伝える作業をしている
話しなど、貴重な話しを聞くことが出来ました。
今年は、風景が最高の場所があると、大悟君に言われ、とんでもな
い山の中を歩いて行き、着いた場所で思わず、どこが?と聞き返す
様な、今考えると笑えるような場所も、トレドならではですねぇ〜。

第一位:グランドバザール
で、一位がこれはまったく、個人的見解なので、お怒りはごもっとも
ですが、私にとっての愉しみ、イスタンブール『グランドバザール』です。
オスマントルコ帝国時代の1461年から続く歴史的建造物で、時代と共
に増築が繰り返されたため、奥へ奥へと果てしなく続くまるで迷路です。
64の通り、22の出入り口に加え、3,600を以上の店舗がある、世界最古
で最大規模のデパートの一つです。

毎回行っているのですが、未だに全ての店舗を廻れていません。違う通り
が次々発生してくるので、深みにはまると、本当に迷子になりそうなのです。
何が愉しいって、幾ら値切って商品を買うかが、一番の愉しみです。

日本人は現地の人の言い値で結構買うみたいですが、ヨーロッパ系の
女性が交渉しているところを、横目で見ていると、結構なタフ・ネゴ
シエーターですねぇ〜。脇で聞いていると、交渉する気があるのだろ
うかと思う位、とんでもない金額を平気でぶちかましています。
あの我慢強いトルコ商人が速攻で、おととい来やがれ!的言葉を投げ
つけているので、よっぽどだと思います。

アンティーク系の商品以外は、殆どMade in Chinaではないかと思われ
るものが多いですが、交渉を愉しむのにはもってこいの場所ですね。
私的には最高にツボです。
あの雑然とした雰囲気と熱気は、一度味わうと癖になります。是非是非!