東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

『人間の病1」

こんにちは。今回も一週間宜しくお願い致します。

先日の三浦先生のブログでも書かれていたが、四月に春期東京操体フォーラム、五月にはバレンシアでそれぞれ開催された。この二つのフォーラムは私にとって特別なものであった。
それは新しい実行委員の仲間が加わって初めてのフォーラムであったので、今まで以上に自分がしっかりしなければならないという責任感が芽生えたことである。
振り返ると今までのフォーラムは心のどこかで先輩方達に甘えている自分がいた気がする。だが今回のフォーラムは先輩方と新しいメンバーとで協力し合い、皆が協力し合いフォーラムを開催することが出来たと思う。
そういった経験が出来たことでこれからの東京操体フォーラムは私達若者が引っ張っていかなければならないという強い責任感が芽生えた。それを成す為にもこれからは操体の学び、自分の人生の学びを今まで以上に深めていこうと思っている。


ブログの本題に入るがNHKで「病の起源」という番組が放映されている。
この番組では現代における代表的な病気をピックアップし、その原因、解決方法を辿っていくという内容である。現在の私にとってバラエティー番組等を見るよりもとても面白い内容であったので暇を見つけては見るようにしている。その番組の中で「腰痛」の特集されていた(2008年10月5日放送)。

この番組の冒頭で腰痛に対しておもしろい表現をしていた。

「現代における腰痛とは二足歩行の宿命なのだろうか?」

私が診ているクライアントや知り合いの中にも腰痛持ちはとても多い。
この原因は八割以上が明らかにされていないのが現代医学の現状と言われている。確かに腰痛の原因というのは様々で人間のカラダの使い方の間違い、または心の在り方等があり、原因を突き止めるのは難題だと思う。
だがよく考えてみると不思議なことに猿やチンパンジー等の人間と同じ二足歩行している動物には腰痛がない。人間も産まれながらに腰痛持ちはいない。ある時から法則から外れた腰の使い方をして痛めてしまっている。

つまり腰痛の原因とは明らかに人間のカラダの使い方の過ち、そして心•意識の在り方等に問題があるのだと思う。
このように考えると腰痛は決して二足歩行の宿命などではなく、「人間の過ち」から起こる病気なのである。

そもそも現代における腰の捉え方に私は違和感がある。
番組の中で度々「腰を動かす」という表現がされていたのだが、確かに腰は動くものだが「動かす」という意識感覚に問題があるように思う。現代の操体の腰に対する捉え方に「腰から動く」ということはほとんど行われない。動きは手関節•足関節等の末端から動かし、腰はその末端からの動きを支える「軸」となるものだという捉え方をしているからだ。こういった捉え方をする事で腰に負担をかけるリスクを避ける、もしくは腰に負担をかけてはならないものだと私は認識している。
「腰を動かす」という表現•意識こそが腰に必要以上に負荷をかけ、腰痛という症状を引き起こしているのだと思う。