東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

ドライブがかかる。

10年程前までは、操体法東京研究会の受講生は、鍼灸師柔道整復師などが殆どだった。
何故ならば、講習の告知は「月刊医道の日本」誌に掲載されていたからだ。

「医道の日本」誌は、鍼灸東洋医学の専門誌であるから、一般の人にはあまりなじみがない。

現在は、インターネットで募集告知をしている。
そのせいもあるのだと思うが、一般の方(会社勤めとか)の講習参加が増えてきた。

一般の方が増えているのはいいことだと思う。
しかし、いくつか問題がある。
解剖学、生理学などの基礎知識に加え、視診触診などの勉強時間が圧倒的に少ない(というか、やっていない)。
鍼灸や柔道整復の学生ならば、学生時代にマッサージや接骨院でアルバイトをすることがあるし、整体系の学校でも現場実習の時間がある。

ということは、同じスタート地点であっても、最初から基礎に差が生じる。

一方、師匠は参加する受講生は「なにかしら免許を持っている」というアタマがあるので、私から「今日参加の受講生は、一人スポーツプログラマーを持っていて、一人保健体育教諭の資格を持ってます」と言ったところ、ちょっと驚いていた。そうなのだ。10年前位まで受講生はほとんど国家資格所有者や運動指導関係や、セラピストだったのだ。

つまり、以前は「知っていて当たり前」のことがそうではなくなってきているので、まずはその補填をしてから、本来の操体の勉強をする必要がでてきたのである。

例えば半蔵さんと岡村実行委員長は、操体法東京研究会では私より先輩である。
私が彼らに初めて会ったのは、確か三浦先生が「参加していいよ」と、出席させていただいた「塾・SOTAI」だと思うが(多分2000年)、当時から今に至るまで「塾・SOTAI」には出席し続けていらっしゃる。
二人とも国家資格ホルダーで、実際に臨床に携わっている。勉強会にも余程の事情がない限り出席されている。
さらに、現在に至るまで三浦先生の個人レッスンを受けているのである。
現役で経験豊かな先輩方が、ここまで勉強しているのだ。
彼らは「守」を越えて「破」を越えて、そろそろ「離」なのかなと思ったりする。

そういう話を若手実行委員(勉強中)にしたところ、彼らもそんなにのんびりしてはいられない、と気づいたようだ。

本来の定例講習に加え、三浦先生の個人レッスンを受けたり、足趾の操法の集中講座を受けたり。視診触診のレッスンを受けたり、操体の勉強にドライブがかかっている。

操体の勉強は操体だけではない。
日本医学として考えるのだったら、日本の歴史や古典の勉強もするといい。
橋本先生が晩年興味を持っておられた神代文字や相似象も面白い。