東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

〜心魅かれるスタイル、それは生き方4〜

柔道といえば三浦理事長も柔道三段の猛者であります。
しかし、そのたたずまいは武張ったところはなく、柔らかさの中に
研ぎ澄まされた刃を静かに隠し持っている…そんな感じが致します。

そんな三浦理事長と重なって見えてしまうのが
三船十段の愛称で親しまれている三船久蔵先生(1883〜1965)です。

三船先生は岩手県久慈市出身(じぇじぇじぇで有名なあの町です)の柔道家です。
町中にはイメージキャラクターのあまりんちゃんに負けないくらい、三船十段
関連のものが目につき、駅から車を約10分ほど走らせると三船十段記念館が
ありまして、過去何度か訪れたことがあります。

初めて三船先生を知ったのは小学生の頃。
道徳の授業(今もあるのかしら)で教科書をパラパラめくっていたら
三船先生の話が載っていました。
うる覚えですが、題材は確か空気投げだったと思います。

空気投げ(別名:隅落し)とは三船先生が開発された技で自らの体さばきと
相手力を利用して投げてしまう技です。技の仕組みに関しては色々な方が
解説されていますが、ネット動画を見ると(記念館でも閲覧できます)
非常に軽やかで力みがなく相手のわずかな動きを道着を掴んでいる
自身の手の皮膚感覚でキャッチしている、そんな印象を受けます。

血の滲む様な稽古の積み重ねがあっての境地でしょうが、動の中に静があるような
技の数々は、はて、どこかで見たような…

そうなんです。三浦理事長が講習会などで、動診、操法の手本を
示して下さるときのあの感じ…
お二方とも動と静両方を兼ね備えたとってもまあるい、まあるい感じなんです。

ちなみに三船先生は柔道という動的なものを研究するために、
書道や将棋という静的なものも研究されたというバランス感覚の持ち主。
三浦理事長は学生時代美術部だったと伺ったことがありましたが、
このへんの感性が達人たらしめるのでしょうか…


明日につづきます。