東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

 三年の経過。

初診のクライアント(女性)に

操体は何で知ったのですか?」と聞いてみたところ、本で読んだと聞いた。

内澤旬子さんという方の本だそうなので、早速買ってみた。

身体のいいなり (朝日文庫)

身体のいいなり (朝日文庫)

この中に、彼女が「操体法」を受けるという話が出てくるのだそうである。

読んでいくと、彼女は腕が上がらなくなり、困っている時に、
知り合いの編集者の女性から、「操体法」を受けたのだそうだ。

もちろん、その編集者は治療家でもなんでもないらしい。
その編集者さんと会うのが楽しみで、ずっと彼女の家に通っていたらしい。

やっていたのは触れて気を送る?みたいな感じ。
それって、渦状波(カジョウハ)では???
渦状波を正式(なお、渦状波というのは、商標登録されております)に
学べるのは、操体法東京研究会定例講習だけ。
ということは、このHさんと言う人は、私の同門なのか????

いずれにせよ、操体法東京研究会の受講生であれば
私もサブ講師として10年以上参加しているので、知っているハズ???

でも、全く思い当たらないのである。

まあ、渦状波の真似っこ(渦状波は皮膚に刺激を与えない。皮膚を捻るとかひっぱるとか
絞るとか、刺激を与えているところもあるようだが、我々は「刺激にならない接触」を用いている。
また、私達は「皮膚操体」とか「カワの操体」という言い方もしない)
をしているところもあるみたいなので、何とも言えない。
いずれにせよ、ちゃんと勉強して欲しい(皮膚への刺激と皮膚への接触の違いとか)
ところである。

関西には「本を読んだだけでプロ向けの講習をやっていた」というツワモノがいたりする。

そして・・・

三年たったある日、腕が無意識のうちにくるくる回ったという
という話である。

私は思わず「う〜ん」と唸ってしまった。

いくら何でも三年というのは、かかりすぎている。

内澤さんの腕が無意識にくるくる回ったのはわかる。
無意識の動きが発動したのである。
はじめて「快の回路」が通じたのだろう。
そして治癒に向かった。

しかし、例えば、ひどい四十肩や五十肩も、三年もすれば自然に治るのである。
この間に、医者に行くと「石灰質が骨に沈殿しているから切開手術しましょう」とか
色々いじられることもあるが、

放置しておいても治るのである。

我々プロが治療に三年かかった言ったら
それは腕が悪いか余程別の要因があるかだ。
それよりも三年受け続けたというのはすごい。

まあ、プロだったら三年はかからない。
それは間違いない。