東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

からだの歪みの要因その5

 佐助が担当する最終日の7日目です。よろしくお願いします。

 からだは力学的に構造が変化するだけでなく、自然の現象からもからだの歪みの方向性への要因があるようです。

 宗形氏の報告によると、地球の北半球と南半球では、からだの歪みの捻転(回旋)方向が逆の場合が多いことを報告しています。
 これは地球の自転によるコリオリの力が働いているのではないでしょうか。
 コリオリの力(コリオリのちから、Coriolis force)とは、回転座標系上で移動した際に移動方向と垂直な方向に移動速度に比例した大きさで受ける慣性力の一種であり、コリオリ力、転向力(てんこうりょく)ともいい、1835年にフランスの科学者ガスパール=ギュスターヴ・コリオリが導いたとのことです。(Wikipediaより)
 地球は東向きに自転しているため、低緯度の地点から高緯度の地点に向かって運動している物体には東向き、逆に高緯度の地点から低緯度の地点に向かって運動している物体には西向きの力が働きます。北半球では右向き、南半球では左向きの力が働くともいえ、これがからだの捻転(回旋)の歪みと関係していることが示唆されます。

 今回のブログでは、からだの歪みの要因について触れましたが、歪みの機序は、繰り返し不自然のストレスのかかるからだの使い方・動き方などによって、過剰興奮や微小な筋の損傷が起こり、その周辺に豊富にCa2+(カルシウム)が放出されます。このCa2+が存在することで筋フィラメント間に連続的な相互作用が起こり、自発的・持続的な筋収縮が起こります。この時、修復可能な場合は循環が十分で、Ca2+が運び去られ、筋は元の状態に戻ります。
 筋収縮が持続的な状態がつづくと、代謝に対する要求が高まるにも関わらずその領域に分布する毛細血管は収縮した状態となり、さらに収縮がつづくと粗血状態で代謝老廃物が蓄積し、Caポンプに必要はATPの供給が不十分(エネルギー不足)で、ますます多くのCa2+が筋中に浮遊し悪循環となり、構造自体に完全な歪みへとつづいていくようです。
 
 これらを防ぐためにも、からだの力学的に身体運動の法則が必要であり、また、からだの感覚のききわけ(感覚分析)からアプローチする操体法は内部の内分泌などからの変化が期待できるため、操体という学びは奥が深い学びをいえます。

 操体という学びに感謝しながら、今週の佐助担当を終わります。
 ありがとうございました。