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東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

病気と心とからだの歪み

 今回のテーマは『病気と心とからだの歪み』についての考察。

 健康は、宇宙の創造主によってすべての生き物に与えられた天与の贈与契約である。ただしそれには、生き物自身が「自然の法則」を尊重するという義務も果たさなければならない。いわば解除条件付きの贈与契約を締結していることになる。だから自然の法則に適った生き方をしていないと、健康という権利が解除されてしまう。というのも人間の手で飼いならされていない野生動物をみていただきたい。野生動物が太りすぎや、動脈硬化や通風で悩んでいるのを私はいまだかってみたことがない。かなりひどい傷を負った野良ネコですら、ほとんど炎症らしい炎症も起こさず、消毒剤や抗生物質や、その傷を縫合する医者もいないのに自らの力で治してしまう。これには理由があり、野生の動物たちは本能によって自然の法則に従うという贈与契約の内容を確実に履行しているからである。ところが人間という生き物は動物本能が弱く、自然の法則に従おうとはしないので、契約不履行に陥っているのが現状だ。契約行為は必ず「権利」と「義務」が同時に伴うということを忘れてはならない。

 病気というすべての病気には必ず要因がある。その要因とは「人工的な環境」や「不健全な生活様式」、それに「心の不調和」という三つの要因があり、それらの要因がたえず働いているところでは必ず病気が起こってくる。このような共通要因があるから、病理学に登場してくるすべての病気には共通した特徴があるのだ。人工的な環境で不健全な生活をしていると、種々の病原菌をはびこらせる下地を作り、そのほか突発的な炎症の原因も増加させることになる。一度炎症が起こると、からだはその炎症の原因を取り除こうとして生体エネルギーを集中する。ところがもし不自然な生活のために、その生体エネルギーが低下していると、炎症は慢性化し、その組織器官は変性に向かう。すると組織器官の変性は即、個体の生物活性低下を意味するので、からだは全般的に弱くなり、いろいろな病気にかかりやすくなってくる。

 内分泌腺は、こうしたからだのアンバランス状態を修正しようとして過度の力仕事に精を出し、やがてはオーバーワークとなって疲れ果ててくる。そのつけが、ふたたびからだ全般の活性低下の助長にまわされる。ここまで追い込まれれば、さらにもうひとつ炎症が追加されることによって、いよいよ生命の臨終と相成ってしまうわけである。こうした見方が悲観的とか、若しくは誇張のしすぎだと思う人もいるかも知れないが、決してオーバーに言っているのではない。

 あるサラリーマンの日常生活の中から考えてみると、たとえば「彼は本当に陽気でいい奴だね」といわれるような、いかにも健康そうな男性の場合を考えてみる。その男性は、いろいろな楽しみをもっていて生活をエンジョイしている。そのうちでも格別なのがグルメの楽しみだ。当然ながらその男性の体重は徐々に増えてメタボリックになってくるが、健康は上々で仕事も順調にいっている。そんなある日、からだに取り入れた食べ物の山を消化するのに疲れた胃の上皮細胞に、ほんのちょっとした炎症が現われて、気分がさえなくなってきた。それでも軽い胃炎だというわけで、数日間、食事に注意して、胃薬を飲む。するとやがてスッキリするので、もう治ったと思う。実は胃の上皮細胞にあった炎症部分のうち、中心部だけは慢性化して残っているのであるが、彼にはそれが分からない。

 そこで彼は今まで通りの飲み食いのグルメ習慣に戻るが、そのうちたまたま食べ物と一緒に悪いバイ菌が胃の中に入ってくる。さてそうなると、今度は軽い胃炎などでは事はおさまらない。彼は、たとえばブドウ球菌感染による重い胃炎などに見舞われ、高熱を発してうなることになる。そしてからだ全体のエネルギーが総動員される。ところが彼の心臓は、太って脂ぎったからだへ血液を循環させることに既に疲れているし、肝臓も大量に摂った食べ物や脂肪の処理でくたびれきっている。当然ながら病気と闘うためのエネルギー総動員令にはとても応じきれなくなり、これらの臓器はますます疲れて変性してゆくしかない。そうなると行く手には、長い闘病生活を強いられることになるか、もっと悪くすれば葬式が待ち受けているかも知れない。

 このように自然の法則というのは健康を維持していくうえで欠かすことのできない原理原則である。そして「息・食・動・想」と「環境」に基づく、操体の骨組みもすべて自然の法則に則っているわけであるが、これは偶然なことではない。
明日につづく


「2014年秋季東京操体フォーラム」 開催決定
今回は11月22日(土)23日(日)の二日間開催いたします。
メインテーマは「操体進化論」です。
特に、22日は場所の都合上、人数が限られておりますので
ご参加希望の場合はお早めにお申し込み下さい。
詳細は以下、「東京操体フォーラムHP」をご確認ください。
http://www.tokyo-sotai.com/?p=813