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東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

落ち葉焚きより・・・慎む。

おはようございます。

 冷え込んだ空気の中で、降り注ぐ晩秋の陽の光を浴び、その暖かさを感じていて、ふと陽の光以外でも暖をとれるのは人間だけなんだなぁ、と感じました。
 そろそろストーブでも出さないと。ストーブのゆらぐ炎を見ていると、なんだか和みます。考えてみれば、火を熾すことが出来るのは人間だけ。他の動物はむしろ恐がる。他の動物とは何か違う特別さと、有り難さを感じます。それと同時に何か責任のようなものも感じる。

 ふと、懐かしい匂いがしてきた。窓を開けて見てみると、畑で焚き火をしながら焼き芋を食べている人がいる(田舎なものですから)。
 火を使うことが出来たから、食べ物を焼いて食べたり、煮て食べたり、それが器の開発や穀物の栽培にもつながってくる。そして、暖房、照明、様々な機械の動力源としての利用。火を使うことが出来たから、暮らしが豊かになり、文化、文明の発展につながった。

 その反面、火は使い方によって、破壊に導くものになったりする。火災などは、その一例で、火の破壊力の凄さや恐さがダイレクトに実感される。誰だって、火災を起こしてはいけないと感じるだろう。
ダイレクトに実感出来るものほど、一致団結して予防をしたり、対策を立てやすい。

 問題なのは、火の燃料となるものが有限なのに、無限であるかのように使いすぎたり、それによって空気をはじめとする自然環境を徐々に破壊してしまっている事の方。
こちらは、徐々に進行する為、自分達で自分達の首を絞めるようなことをしていても、なかなか実感できていない。地球の温暖化など、その報いの警告は感じていても、対策については、なかなか足並みが揃わない。

 火を使えるという有り難さを、もう一度想い返し、慎みの心を取り戻す必要がでてきていると思う。慎みの心というのは、「自分で自分が生きている」といった、自分中心の考え方からは生まれない。
自分を生かしてくれている存在や、存在を可能としている絶対的イノチが自在する真実を、真実として受け入れる事からはじまる。人間と人間という相対関係の枠を超えなければ、利害関係の枠も越えられず、自分達を生かしてくれている地球の事は、いつまでも枠の外に置かれてしまうのかもしれない。

 幸いにも火に関しては、世界の、どの民族でも畏敬する文化があるという。日本でも、つい何十年か前、私が小学生の頃ぐらいまでは竈があり、竈の神様を祀っていた。竈三柱神。
 竈三柱神はオキツヒコオキツヒメカグツチオキツヒコオキツヒメが竈の神でカグツチは火の神であるという。

 昔の人は、暮らしや生活に切っても切れない竈という大切な場に、小宇宙を感じていたのではないだろうか。私なりの解釈だが、オキツヒコオキツヒメは竈という場の(+)と(−)の神様。カグツチは「愛と調和」という太極の意志が貫かれた、竈での生成、具現化の神様、別名ホムスビ。ホムスビの「ムスビ」とは「愛とその法則」であり、愛をもって現象に秩序をもたらせている。

 秩序をもたらすことで、燃料の質と空気の触れ合いに法則性をもたらす。その法則性があるお陰で、炎のエネルギーは対象物に質的変化をもたらし、新たな命を呼き込める。生まれ変わった対象物は、炎が消えてもイノチと共に存在する。命の結び、命の連続性。

 重要なのは物質現象の根底には波動現象があるということ。よく料理は、愛情と火加減が大事だと言われる。「美味しくなれ、美味しくなれ」と想い、やさしい波動の言葉をかければ、火の神様も応えてくれるということなのではないだろうか。昔は、燃料が薪だったのだから、なお更だと思う。

 恐ろしいのは火事を起こしてしまうこと。注意散漫もさることながら、荒い波動を向けることによって、怒ったように荒く燃え広がることもあるのではないだろうか。悪くすれば、自分の家の焼失どころか、他の家にまで災害を及ぼすことになる。竈三柱神は別名三本荒神、仏教では三宝荒神

 火に畏敬の念が生じるのも当然と思う。自分達は絶対ではないのだ。生かされるべき絶対的なものに、見守られながら生きている。慎んで生きる。

 再び、窓を開け、焚き火の様子を見てみる。年配の方が一人だけだったのが、お孫さんだろうか、小さな子供が一人増えている。
お爺さんは、焼き芋の灰を軍手で掃い、二つに割って半分子供に与えた。子供は晩秋の優しい光を受けながら、ハフハフ食べている。お爺さんは軍手を外し、そっと子供の頭を撫でている。荒神様の出番はなさそうだ。


「2014年秋季東京操体フォーラム
今回は11月22日(土)23日(日)の二日間開催いたします。
メインテーマは「操体進化論」。
特に、22日は場所の都合上、人数が限られておりますので
ご参加希望の場合はお早めにお申し込み下さい。
詳細は以下、「東京操体フォーラムHP」をご確認ください。
http://www.tokyo-sotai.com/?p=813