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東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

本人自身の利益。

友松 誠(ともまつ まこと)

おはようございます。

 最近、歯医者さんに通っており、昨日は奥歯に詰め物をしたせいか、何かシックリきません。歯医者さんに通うのは10年ぶりくらいとなるので、歯の良い状態に戸惑っているのかもしれません。
 痛みがないからと、歯があまり良くない状態に慣れてしまうと、噛み合わせをはじめ、からだの動きにも影響しますものね。定期的なメンテナンスは、やはり必要ですね。
 

 ふと、ある歯医者さんを取り上げたテレビ番組を見ていた事を思い出した。印象に残っていたので、日記にあるかもと思い、専用の操体ノートを見返してみる。あった、あった。先月末のNHKの番組だった。

 その歯科診療所に通う人達は、80才を過ぎても25本前後の歯が残っている人が多数おり、また子供たちの8割以上が、20才になっても永久歯に虫歯ができないという。
 この世界的にも類のない圧倒的な成果は、単に治療の腕が優れているだけではなく、予防に重点を置いてきたことによる。

 番組で取り上げた歯科医の熊谷先生は、70歳ぐらいとお見受けする。若い時から最高難度の治療テクニックを磨いてきた歯科医だが、ある時から「真の患者利益とは何か」ということを自問自答するようになったという。

 痛みを治す歯医者から痛くならない為の歯医者へ。治すだけを良しとせず、予防の大切さを説き、意識改革を促す。虫歯を削って治療して、痛みがなくなっても、どうして虫歯になってしまったのか本人が気づけなければ、虫歯になったら削って治療しての繰り返しになってしまう。治療の度に削った穴も大きくなる。

 熊谷先生は、35年前に診療所を山形へ移転したのを機に、予防とメンテナンスに重点を置く方針に切り替えた。しかし、はじめの頃は、なかなか理解が得られず、罵倒されることも度々だったという。
 当時の患者の多くは、歯が痛いから歯医者に来たのだから、手っ取り抜いてくれ、早く削って詰めて治してくれ という人がほとんどだったと思う。
 それを唾液の殺菌力を検査することからはじめ、予防とメンテナンスの大切さを理解させ、口の中を清潔にすることが定着するまで、実質的な治療はしないというのだから、軋轢が生じるのも無理はない。

 それでも熊谷先生は、己の信念を曲げずに、真の患者利益を優先し、患者の意識改革を促すことを地道に繰り返した。そして、痛くなくてもメンテナンスに通うことで、健康な歯を保ち、快適な毎日が過ごせる事を実証していった。
 現在では、その成果は世界的に類のない成績となって表れている。また、成績という数字以外にも、地域社会への貢献は計り知れないものがあると思う。
 番組中、80歳代の男性が「酒を飲んでも、歯磨きしないと気持ちよく寝付けないんだよ」と綺麗な歯を覗かせて、微笑んでいる姿が印象的だった。

 操体臨床にも、つうじるものがあると思う。そして、時代は確実に「からだに、やさしい」という方向に進んでいると感じる。
 依頼者の勝手都合の満足ではなく、一生使わせていただく、からだの満足を考える。それが結果的に依頼者本人の利益につうじる。
 

秋季東京操体フォーラムお待ちしております。
23日は、まだ参加可能です。

「2014年秋季東京操体フォーラム
今回は11月22日(土)23日(日)の二日間開催いたします。
メインテーマは「操体進化論」。
22日は満席となり、締め切りとなりました。
23日は参加可能です。ご参加希望の方は、お早めにお申し込み下さい。
詳細は以下、「東京操体フォーラムHP」をご確認ください。
http://www.tokyo-sotai.com/?p=813