東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「フォーラムで学んだこと」

今回のフォーラムでは初めて人前で自分が学んできたことを発表する機会があった。

今まで人前で何かを話す機会といえば大学の論文の発表位なもので、全くこういった機会とは縁がなかったのだが、この経験でとても大きな気付きを得ることが出来た。

まず人前で自分が取り組んでいることを話すということは自分自身の「試験の場」だということ。

それは学生等の試験とは少し勝手が違い、ただ答えを覚えれば良いというものではなく、取り組んでいることの本質をどこまで理解しているのかが問われるのである。

日々自分がどれだけそれと向き合っているのか、どこまで実践し、日々の生活に生かしているのかが問われ、その空間は誤魔化しの効かない場なのだと実感したのである。

今までの自分は学校の試験にしても、資格等の試験にしても「その場しのぎ」の学びであったように思う。それは「自分」の頭で理解しても「自身」の身に付いていないということである。

特に操体においては「実践哲学」である以上、人前で話すことにおいては紙の上で答えを書くのとは違い自分が経験、体感したこと以上のことは伝えることは出来ない。つまり理論や計算では自分が相手に伝えたいことを伝えることが出来ないのである。

そのような事が解かってくると、操体に限らず学ぶということ、人に指導することにおいて「インプット」よりも「アウトプット」の方が大切だということが良く理解出来る。
食事等と一緒で入れたものを循環していかなければ新しい情報は入ってこない、身に付かないのである。以前のブログでも自分が新しく欲しいものを手に入れたいのならば、手にいれたものは潔く捨てることを書いたが、これは物だけでなく学ぶことにおいても同じことが言えて、本当に大切になってくる。

今回のフォーラムでは私自身が本当に参加者に伝えたかったことはある程度伝えることは出来たが、それは決して一人では出来なかったことだ。
黙って見守って下さった師・先生、先輩の存在、そして信頼する同志と相方の存在があってこそ出来たことで、改めて自分との向き合い方、操体との向き合い方を見つめ直さねばならないと実感した時間であった。